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東レ/CFRP再生で新技術/炭素繊維不織布に再生

2025年11月04日 (火曜日)

 東レはこのほど、熱硬化性樹脂を使った炭素繊維複合材料(CFRP)を分解し、炭素繊維の強度や表面品位を維持しながら再利用できるリサイクル技術を開発した。この技術で得た高品位なリサイクル炭素繊維(rCF)を用いた炭素繊維不織布も開発した。

 CFRPは航空機や風力発電設備で使用が拡大しており、廃棄CFRPのリサイクルが大きな課題となっている。これまでrCFの用途として鉄鋼炉の還元剤としてケミカルリサイクルが進められており、CFRPを高温で熱分解してrCFを回収・再利用するマテリアルリサイクルの技術開発も進んだ。ただ、さらなる用途拡大にはrCRの熱損傷や樹脂残渣(ざんさ)を制御し、あらゆるCFRPに適用できるリサイクル技術が必要とされていた。

 こうした課題に対して東レは、蓄積した有機合成・ポリマー重合の知見を生かし、三次元架橋された難分解素材である熱硬化樹脂に対して、従来技術より低温で分解可能な新規分解剤による廃棄CFRPの分解を実現した。この技術で得たrCFの単糸引張強度はバージン炭素繊維に対して95%以上の強度保持率を持つ。また、この技術による二酸化炭素排出量は、バージン炭素繊維の製造時と比べて50%以上の削減が期待できる。

 この技術で得たrCFは従来のrCFと比べて強度に優れるほか、樹脂残渣が少ないため表面品位にも優れる。このため幅広い用途での加工が可能だ。特に短繊維に分散させてシート状に加工する不織布用途への検討を進めた結果、水への分散性を容易に制御できることから、均質形態や従来にない和紙調の不織布の作成に成功した。

 自動車、建築、電気電子、日用品など幅広い用途への展開を目指し、サンプル提供も開始した。また、9日まで東京ビッグサイトで開催中の自動車見本市「ジャパン・モビリティー・ショー」に出展しているマツダのビジョンモデルの内装や外装部品にも採用されている。