A+A2025/欧州のユニフォームは“より進化”/持続可能性へさらに踏み込む
2025年11月06日 (木曜日)
【デュッセルドルフ5日=橋本学】欧州のユニフォームアパレルが進化を遂げている。現在、ドイツのデュッセルドルフで開催中の「A+A2025 国際労働安全機材・技術展」では、従来のリサイクル繊維の使用や環境認証の取得といったレベルからさらに踏み込んだ産業の持続可能性を高める試みに挑む。デザインでは、これまでよりもカジュアルなデザインの作業服が目立つ。生地は多彩な機能を持たせながらも軽さ、柔らかさを追求し、肌触りや着心地を新たな付加価値とするワークウエアも出てきた。
ドイツのユニフォームメーカー、キューブラーは縫製を最大限に熱圧着に置き換えたワークウエアのプロトタイプを初めて披露した。圧着に置き換えて縫製にかかる人の負担を減らすことで、アパレル産業の持続可能性を高めると言う。今回展での顧客の反応を見て、さらに改良を加え商品化を目指す。
企業のセーター・ベストを手掛けるクリッパーは、バス・鉄道などの交通系制服やオフィスウエアをよりカジュアルに、上品に演出するニット製品のシリーズを展示した。多彩な型のニットジャケット、カーディガン、ベスト、セーターをそろえる。ウール50%・アクリル50%混の糸で編む。ウールにはメリノ種のみを使い、素材からブランド化し一格上の商品シリーズをうたう。アクリル混にすることで上質なウールを使いながらも制服としての取り扱いやすさを持たせた。
クリスティアンは、石油、ガス、鉄道、鉄鋼溶接業などに向けた高機能作業服で成長を遂げるポーランドのメーカーだ。米国のデュポンの高機能繊維を使った最新コレクションを披露した。ポーランドでの自社一貫生産による顧客別注への対応力の高さを発信した。デザイナーを自社で雇用し、縫製工場も直営することで、定番製品を元に8時間あれば顧客の要望に合わせカスタマイズできると言う。独自の高視認性ウエアのシリーズは、難燃・帯電防止・防寒・制電といった機能を、再帰反射性のあるプリントで腕の部分に大きくあしらってデザインの一部として表現する。
2010年ごろから継続してこの展示会を視察する日本人関係者によると「リサイクル素材を使うことや環境認証といった要素はもはや欧州では当たり前で、主張する要素ではない」と話す。「今は素材を軽くしたり、ニットにして着やすくしたり、あるいはカジュアルファッションの要素を取り入れたりとおしゃれなユニフォームが非常に多くなった」
A+Aは2年に一度開催される世界最大規模の労働安全・衛生分野の見本市。日本では特にユニフォーム業界からの関心が高い。欧米市場で人気のワークウエアアパレルの最新動向や、次世代のPPE(個人用防護具)の最先端が一堂に集まる。近年、アシストスーツの特別コーナーや人工知能(AI)を使った労働環境の改善の取り組みなどにも注目が集まる。約9万平方㍍の展示会場に70カ国から2300社以上がブースを構える。日本からは今回34社が出展する。
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「繊維ニュース」を発行するダイセンは日本のユニフォーム業界関係者に対してA+A展の展示会場を巡るツアーを今年も実施。今回は日本の業界関係者37人が参加している。





