4~9月期決算
2025年11月07日 (金曜日)
〈繊維関連は減益/旭化成〉
旭化成の2025年4~9月期連結決算は、売上高1兆4863億円(前年同期比0・3%減)、営業利益1074億円(1・3%減)、経常利益1060億円(2・3%増)、純利益662億円(10・0%増)だった(短信既報)。
マテリアルセグメントは売上高6378億円(7・0%減)、営業利益310億円(33・3%減)。うち繊維関連を含むカーインテリア事業は売上高792億円(1・8%増)、営業利益42億円(26・5%減)だった。欧州を中心に販売量は増加したが、円高の影響や販管費の増加で減益となった。
同じく繊維関連を含むコンフォートライフ事業は売上高1248億円(3・9%減)、営業利益82億円(24・9%減)。キュプラ繊維「ベンベルグ」はインド市場で他素材との競争が激化し、販売量が減少した。ポリウレタン弾性糸「ロイカ」は需要減退に加えて米国の関税政策の影響で荷動きが鈍った。
通期連結業績は、売上高3兆800億円(前期比1・4%増)、営業利益2210億円(4・3%増)、経常利益2170億円(12・2%増)、純利益1400億円(3・7%増)を見込む。
〈アラミド減損で純損失/帝人〉
帝人の2025年4~9月期連結決算(IFRS)は、売上収益4510億円(前年同期比11・1%減)、事業利益130億円(30・0%減)、税引前損失557億円(前年同期は508億円の損失)、純損失548億円(同533億円の損失)だった。アラミド事業などの減損損失522億円や複合成形材料の北米事業売却による株式売却損111億円などを計上したため(短信既報)。
マテリアル事業は売上収益1875億円(20・0%減)、事業損失15億7300万円(前年同期は17億2400万円の利益)。複合成形材料の北米事業を譲渡したことで減収となり、アラミド繊維で大型定期修繕を実施したことによる操業度低下、炭素繊維や樹脂の販売数量減などのため大幅減益となった。ただ、アラミド繊維と炭素繊維のコスト構造改革は進んだ。
繊維・製品事業は売上収益1704億円(2・0減)、事業利益89億7200万円(11・2%減)。衣料繊維は中国向けテキスタイルが前期に前倒し出荷があった影響で減少したが、北米向けや国内と中国向け衣料品の販売が堅調。産業資材も水処理フィルター用ポリエステル短繊維などが好調だった。ただ、拡販費用など本社経費が増加した。
通期連結業績は売上収益8600億円(前期比14・5%減)、事業利益250億円(9・4%減)、純損失100億円(前期は283億円の利益)を見込む。
〈アパレル改善進め減益に/グンゼ〉
グンゼの2025年4~9月期連結決算は売上高652億円(前年同期比3・1%減)、営業利益31億8600万円(10・7%減)、経常利益32億500万円(12・6%減)、純損失6億5800万円(前期は29億5600万円の利益)の減収減益、最終段階では赤字だった(短信既報)。
減収は機能ソリューション事業の電子部品販売の終了に伴い売上高が約16億円減少したことが主要因。減益はメディカル事業での中国販売に停滞感が出たこと、アパレル事業の体質改善を積極的に進めていることなどが各段階の利益に響いた。
アパレル事業は売上高297億8500万円(0・3減)、営業利益2億4900万円(40・3%減)の微減収大幅減益。
期中は店頭での実売が苦戦した一方、ネット通販では機能肌着の「アセドロン」など差別化製品の拡販が進んだ。事業の構造改善に向け、積極的な在庫圧縮とそれに伴う生産減も収益に影響した。
生産2拠点・物流2拠点の集約も進めているほか、これに合わせた同事業部内の従業員約2300人を対象とする希望退職募集を10月10~24日に行い、82人が応募した。これらに伴う事業構造改善費用として特別損失約34億円も計上している。
〈国内事業の回復鮮明/ゴールドウイン〉
ゴールドウインの2025年4~9月期連結決算は、猛暑下での機能性ウエア販売が奏功し、売上高555億円(前年同期比4・2%増)、営業利益69億円(同33・5%増)となった。韓国の持分法適用関連会社における為替影響などで経常利益は90億円(同8・3%減)、純利益67億円(同13・6%減)だった。
経常利益は減益となったものの、国内事業の回復基調は鮮明だ。記録的な猛暑となった7~9月は、全ての月で売上高が前年同月を上回った。特にTシャツや軽量シェルといった暑熱対応の機能性商材が販売をけん引。気候変動をリスクではなく需要創出の機会と捉えた商品戦略が実を結んだ。また、8月以降は訪日外国人需要が急回復した。
通期業績見通しは売上高1405億円、営業利益259億円。





