繊維ニュース

1~9月期決算/日清紡ホールディングス/東洋紡/日東紡/東海染工

2025年11月11日 (火曜日)

〈増収増益も繊維は苦戦/日清紡ホールディングス〉

 日清紡ホールディングスの2025年1~9月期連結決算は、売上高3645億円(前年同期比4・2%増)、営業利益188億円(381・7%増)、経常利益213億円(155・2%増)、純利益138億円(368・2%増)だった。無線・通信事業が好調に推移し、増収増益を確保した。

 繊維事業は、売上高243億円(11・4%減)、営業損失1億4千万円(前年同期9400万円の損失)で、減収赤字幅が拡大した。シャツ事業は、超形態安定加工やドレスシャツ素材の受注が減少し、減収で赤字が拡大。ユニフォーム事業は企業別注品の受注が増え、増収赤字幅が縮小した。

 通期の業績は、売上高5060億円(前期比2・3%増)、営業利益197億円(18・8%増)、経常利益216億円(11・5%減)、純利益110億円(7・0%増)を予想している。

〈4~9月期決算/フィルム、繊維改善で大幅増益/東洋紡〉

 東洋紡の2025年4~9月期連結決算は、売上高2040億円(前年同期比2・5%減)、営業利益117億円(70・1%増)、経常利益100億円(216・3%増)、純利益57億3200万円(約5倍)と大幅増となった。フィルム事業や機能繊維・商事事業の収益が改善した。

 環境・機能材事業は売上高507億円(8・2%減)、営業利益30億5700万円(9・0%減)だった。不織布マテリアルでは国内生産体制見直しで収益性が改善した。

 機能繊維・商事事業は売上高444億円(7・4%減)も営業利益1億6500万円(52・5%増)と大幅増益。中東向け生地輸出が好調で、スポーツも国内生産体制の集約を進めた。エアバッグ用基布は日系顧客の減産の影響を受けた。

 通期は、売上高4250億円(前期比0・7%増)、営業利益230億円(38・1%増)、経常利益175億円(65・2%増)、純利益65億円(224・5%増)を見込む。

〈営業、経常利益で過去最高/日東紡〉

 日東紡の2025年4~9月期連結決算は、売上高574億円(前年同期比8・2%増)、営業利益94億5400万円(28・7%増)、経常利益91億5900万円(18・6%増)、純利益68億7800万円(27・1%増)だった(短信既報)。スペシャルガラスの販売が好調で、営業利益と経常利益は4~9月期で過去最高となった。

 繊維関連では、子会社の日東紡アドバンテックスは大手アパレルの婦人向けが苦戦も、そのほかの婦人向けと紳士向けでカバーした。

 通期の業績見通しは、売上高1200億円(前期比10・1%増)、営業利益190億円(15・5%増)、経常利益185億円(5・3%増)、純利益375億円(192・1%増)。利益は各段階で過去最高を予想する。

〈6期ぶりの営業黒字に/東海染工〉

 東海染工の2025年4~9月連結決算は、売上高66億円で前年比0・9%減、純利益2千万円で同37・1%増と微減収増益だった。中間期としては染色加工の加工料部門での落ち込みが響き4期ぶりの減収だったが、営業損益は6期ぶりに黒字化した。

 染色加工事業は、国内で赤字幅を改善し、インドネシアは増収増益だった。グループの販売数量は2億8397万㍍で前年比6・6%減。うち海外比率は58%で、前年に比べて7ポイント高まった。

 染色加工では、同業他社からの振替受注の取り込みや、新たな素材、特殊加工品の受注が進んでいると言う。

 通期では、売上高140億円(前期比2・4%減)、営業利益2億6千万円(38・1%減)、経常利益3億3千万円(42・0%減)、純利益1億円(67・9%減)を予想する。