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トンボ/制服スタイルの“今”を提案/多様化する価値観捉える

2025年11月12日 (水曜日)

 トンボは6、7日、大阪市内で総合展示会を開いた。時代の中での学生服の変化や、現在の制服の採用傾向に触れた上で、価値観などが多様化する今、同社が提案する制服のスタイルや製品などをアピールした。

 今展は3部構成とした。「いままで」のエリアでは、高校生ファッションが登場した1985年~90年代前半から2010年代までの制服の着こなしを、“ガラケー”や自撮り棒など、各時代の学生が所有していた象徴的なアイテムとともに展示し、振り返った。

 「いま」のエリアでは、25年度のモデルチェンジのデータを基に、デザインなど制服の採用傾向を紹介。さらに、公立校、私立校の採用校の実績も見せた。同社担当者によると「ニットのジャケットの採用が増える傾向にある」と言う。

 「いまから」のコーナーでは、ニーズの多様化や気候の変化など、学生服を取り巻く環境が大きく変化する中、これらに対応したアイテムやスタイルを訴求した。

 自社ブランドの「バーシティメイト」を用い、スタンダードやストレッチ、サステイナブルなど、六つのカテゴリーで制服を提案。今夏も各地で猛暑日を観測するなど、酷暑対策へのニーズが高まる中、夏向け素材を採用したポロシャツやハーフパンツ、パーカなど、夏を快適に過ごすことのできるアイテムも展示した。併せて、実際に制服のコーディネート体験ができるコンシェルジュコーナーも設けた。

 体育着もアピールした。発表から10年が経過した自社ブランド「ビクトリー」では、これまでの実績を採用校のデザインとともに見せた。防融や吸汗速乾、制電など素材も幅広く、「要望に合わせて提案できる」強みも発信した。

 体育着では、ブランド力の高い「アンダーアーマー」「ヨネックス」というライセンスブランドも展開しており、3ブランドで「バランスよく採用してもらっている」とする。

 このほか、同社のモノ作りのノウハウや、循環型リサイクルの取り組み「エコ-リボーン」なども発信した。また、ファッション感や制服への関心度、必要とされる先生像など、博報堂と協力して調査した、現在の生徒が持つ視点などのデータも参考として紹介した。

 総合展は12、13日に名古屋、19~21日に東京、27、28日に福岡でも開く。