中国国際輸入博/サステ社会実現する新素材/日系メーカーがアピール

2025年11月12日 (水曜日)

 【上海支局】5~10日に中国・上海の国家会展中心〈上海〉で開かれた輸入品・サービスの展示会「第8回中国国際輸入博覧会」(輸入博)で、日本の繊維メーカー出展者は持続可能な社会を実現する最新素材をアピールした。

 東レは、「新材料・新技術・新用途」をテーマに、サステイナブルな未来社会の縮図を展示。さまざまなサステ素材を出展するとともに、脱炭素の水素社会実現に向けた取り組みをジオラマで紹介し、注目を集めた。

 繊維関係は、回収ペットボトルを使ったリサイクル繊維「&+」(アンドプラス)や、ファッション用途向け生地ブランド「EVOTRUTH」(エボトゥルース)のリサイクル素材使い、東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)が地場合繊メーカー、恒申(ヘンセン)グループと取り組む「繊維to繊維」をアピールした。

 旭化成は、「健康な生活」「低炭素」「デジタル化」「自動車生産」の4分野に分け、最新素材を訴求した。その中で、キュプラ長繊維不織布「ベンリーゼ」を細いテープ状にカットし、糸にした新製品「ベンブリーズ」を紹介した。生分解性があり、国際認証を取得したサステ素材であることをアピールするとともに、同素材を使ったキーホルダーなどの記念品を来場者に配り、好評を博した。

 帝人は、「持続可能な社会の実現に貢献する」各種素材とサービスをアピール。新エネルギー車やヒューマノイドロボット、ドローンなどで採用が進む高強度・高難燃性の熱可塑性複合材料を出展し、サステな原料を使い、リサイクルが可能な点を強調した。英デザイン事務所が電子廃棄物を使って制作した実寸大のレーシングカー「Recover―E」の特別展示も耳目を集めた。繊維関連では、帝人フロンティアが展開する「テクノフォース スチール」やポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を紹介した。

 輸入博は、中央政府の肝いりで2018年11月に初開催。中国の市場開放の姿勢を海外にアピールする場となっている。今年の出展面積は43万平方メートル、出展者数は4108社で、それぞれ前年を上回り、過去最大となった。