特集 北陸ヤーンフェア2025(11)/出展者の見どころ/エディー/イテマ/津田駒工業/ストーブリ
2025年11月13日 (木曜日)
〈フィーダーを幅広く展示/細幅織機でも需要増/エディー〉
エディー(大阪府東大阪市)は、日本での代理店を務めるLGLエレクトロニクス(イタリア)のフィーダーを実機展示するほか、ピカノール(ベルギー)の織機を紹介する。
LGLのフィーダーはニット用「ツイン」などを展示する。日本では古い機械に最新のフィーダーを付けることで品質向上につなげる動きがあり、さまざまな分野で需要が増えている。
古い繊維機械のフィーダーを最新式に入れ替える動きは、まずリワインダーで染色用ソフト巻きのテンションムラをなくすための導入が進んだ。その後はスパンデックスなどストレッチ糸使いが増える中で、繊細なテンション管理のために編み機や織機でも需要が拡大。足元では、細幅織機での導入も増えており、古いニードル織機に最新のフィーダーを搭載して織物品質を高める動きが出ている。
ブースでは、ピカノールもレピア織機の最新機種「ウルティマックス」をパネルで紹介する。2023年のITMAミラノで発表された機種で、外観から一新されて生産性の向上などを実現している。今春に尾州産地でオープンハウスを開くなど日本での導入も進み出した。
先月のITMAアジア+CITMEシンガポールではエアジェット織機の新技術も披露されており、電子開口「スマートシェッド」の新型が発表されている。
〈ガイドレスで540センチ幅/新型タッカーも紹介/イテマ〉
イテマ(イタリア)の日本法人であるイテマウィービングジャパン(大阪府茨木市)は、10月末にシンガポールで開催されたITMAアジアでの出展品を日本のユーザーに紹介する。同展では、超広幅のガイドレス式レピア織機やメカニカルタッカーなどの新製品が発表された。
レピア織機では、ガイドレス式で540センチ幅を実現した。これまでガイドレス式は360センチ幅までで、それを超えるとガイド付で対応していたが、レピアヘッドの進化などで超広幅化を実現した。日本でも産業資材用などで4㍍超のガイドレスを求める声があるため、今回展で紹介する。
シンガポールでは新しいメカニカルタッカーも発表された。これまでタックインの装置は純正ではなく他社製を搭載していたが、新たにイテマ製で開発した。従来は400回転を超える領域への対応が難しかったが、より高速回転に対応できる形にしている。
なお、日本でのレピア織機販売は、R9500―2とR9500エヴォを併売していたが、年内でR9500―2の受注は終了し、来年からは最新機種のエヴォ型に一本化する。
〈最新パーツで性能向上/レピア織機用部品も展示/津田駒工業〉
津田駒工業は織機用のパーツを中心に紹介する。織機の稼働を維持するためだけでなく、最新のパーツを使うことでコストダウンやパフォーマンス向上につながる提案に力を入れる。今回展では、前回までに要望の多かったレピア織機用のパーツも紹介する。
エアジェット織機やウオータージェット織機では、新しい織機開発を進める中でパーツも進化しており、その中には以前の機種に使えるものもある。古い機械でも最新技術を取り入れたパーツに入れ替えることで、省エネやコストダウン、パフォーマンス向上につなげることができる。ブースでは顧客の要望を聞きながらさまざまなパーツを紹介する。
前回まではエアジェット織機用とウオータージェット織機用のパーツを中心に紹介してきたが、今回展ではレピア用も加えて紹介する。
レピア織機の生産からは既に撤退しているが、日本ではまだ多くの機械が使われており、パーツの供給は続けている。昨年の北陸ヤーンフェアでも多くの要望があったため、今回展で改めて紹介する。
型がないなど対応が難しいパーツも一部であるが、多くの部分で現在も供給が可能。シャトル織機用の部品にも対応している。
〈ドローイングの新機種/北陸でも導入実績/ストーブリ〉
ストーブリは北陸ヤーンフェアを産地企業との交流の場としても重視している。今回展では10月末にシンガポールで開かれたITMAアジア+CITMEで披露した新機種も紹介する。
シンガポールでは、自動ドローイング機の最新機種「サファイアプロS37」が初披露された。糸を持ち込む機構が大きく変わり、生産性は毎分280本に向上した。糸に触れる部分を減らすことで消耗部品の減耗も約40%低減し、部品交換の頻度も少なくなる。画像処理能力を引き上げてAWC(アクティブワープコントロール)の機能を向上したほか、ガラス繊維や産業資材用の太繊度糸、モール糸など特殊な糸の条件設定を容易にできるICSも搭載する。
自動ドローイング機は、人手不足を背景に日本での需要も高く、近年では産業資材用途での引き合いも増えている。今回発表したサファイアS37も高い評価を受けており、北陸で日本での第1号機が導入されている。今回の北陸展でも紹介する。
シンガポール展では、1200回転に対応するドビー機「S3280型」も展示した。2023年のITMAミラノで発表された商品だが、既に受注が始まっており、日本の大手織機メーカー2社にも採用されている。





