別冊ユニフォーム(8)/展示会/既存販路と異なる市場へ拡販狙う

2025年11月14日 (金曜日)

 一部のワークウエアメーカーは12月上旬、26春夏向けのプレ展示会を大阪市内で開く。

 今夏も国内では記録的な酷暑が続いた。また、6月からは改正労働安全衛生規則で事業者に対し熱中症対策が義務付けられたことで、電動ファン(EF)付きウエアを中心に暑熱対策商品への注目も例年以上に高まった。来夏も猛暑の傾向は変わらず続くとみられ、各社は来夏に向け、プレ展示会で最新の暑熱対策品をアピールする。

 ユニフォームメーカーの期日統一春夏展は毎年1月から三備地区をはじめ各地で開催される。ただ、バートル(広島県府中市)がそれよりも1カ月ほど早い日程でプレ展示会を2020年から実施してきた。開催が定着したとともに、出展企業も増えつつある。今年は寅壱(岡山県倉敷市)やシンメン(府中市)、村上被服(同)などが新たに開く予定だ。

〈第15回ツールジャパン/暑熱対策の高性能化続く〉

 幕張メッセで10月1~3日に開催した展示会「第15回ツールジャパン」では、ホームセンター向けワークウエアの暑熱対策製品の高性能化が注目されている。特に冷却ウエアの進化が著しい。

 市場で圧倒的シェアを持つ電動ファン(EF)タイプでは、長信ジャパン(東京都中央区)が最大30ボルトのバッテリーや、環境温度からマイナス25℃まで冷却するペルチェプレート一体型ファンを来季投入する。

 近年シェアを広げるペルチェタイプでは、リブレ(名古屋市中区)がデバイスの改良で冷却効果を向上させ、3万mAhの大容量バッテリーも追加。さらに、冷却した空気を首元に送風する新方式のウエアも開発中で、来夏の投入も視野に入れる。

 水冷式では、山真製鋸(浜松市)が専用保冷ボトルの開発で連続使用時間を従来の2~3時間から約4時間へと延長。実用性を飛躍的に高め、来季は20~30%増の販売を目指す。

 猛暑対策は冷却機能だけでなく、消臭分野も急成長している。ディックコーポレーション(新潟県柏崎市)の「ニオレスX」シリーズは、「臭いの発生速度を上回る速さで消臭する」という新発想で、アンモニアを瞬時に分解する技術が特徴だ。

 また、リベルタ(東京都渋谷区)は住友化学などと共同開発した冷却ウエア「氷撃α」を本格展開。温度調節繊維と遮熱繊維を配合した独自生地に加え、冷感温調プリントが吸熱と放熱を繰り返し、快適な温度帯を維持。冷感持続時間は従来比約1・5倍を実現した。

〈第11回猛暑対策展/冷却デバイスは複合化へ〉

 猛暑と企業の熱中症対策義務化を背景に、冷却ウエア市場が活況を呈している。7月23~25日に開催した東京ビッグサイト「第11回猛暑対策展」では、特に急成長するペルチェ式ウエアの開発競争が激化。来季に向けた新潮流として、電動ファン(EF)や水冷式との「複合化」と、バッテリーの「高電圧化」が鮮明になった。

 ペルチェ式ウエアの複合化が各社で進んでいる。OEM大手のリブレはEFや水冷との組み合わせを拡充。南海部品(大阪市北区)はペルチェとEFを組み合わせ、ウエアの膨らみを抑えたベストを投入した。

 日本シグマックス(東京都新宿区)のペルチェと水冷の複合型「アイシングギアベスト2」は、発売2カ月で1千万円近くを売り上げるなど好調で、冷却ユニットを分離し作業負担を軽減した点も特徴だ。サンコーの複合型「冷蔵服4」も目標の4万着を完売した。

 冷却効果を高める高性能化も加速している。リブレはペルチェデバイス数を増やすとともに、専用バッテリーによる高電圧化を推進。かつてEFウエアで見られた電圧競争がペルチェ式でも始まる兆しがある。ミズノはスポーツの知見を生かし、冷却効果の高い部位にデバイスを配置した製品を本格展開。昭和商会(名古屋市昭和区)は複合型ウエアに、安全性の高いリン酸鉄モバイルバッテリーを組み合わせた製品を提案した。

 熱中症対策義務化も追い風となり市場は拡大しているが、一部では来季の生産量に慎重な姿勢も見られる。

〈緑十字展/技術で作業者の安全守る〉

 高齢化や人手不足が進む労働現場で、作業者の安全性を高める製品の需要が拡大している。9月10~12日にインテックス大阪で開かれた安全衛生保護具・機器の総合展示会「緑十字展2025」では、手足を守る保護具や身体負担を軽減する装備品など、現場の課題解決に向けた提案が相次いだ。

 手を守る分野では、手袋・かばんを企画製造販売するダイコープロダクト(香川県さぬき市)が、耐圧グローブ「プレスガード」を四国電力と共同開発した。耐圧板で指を守る構造が注目された。靴下製造卸の助野(富山県高岡市)は、北陸電気工事(富山市)と配電作業向けの耐切創グローブを開発し、安全性と作業効率を両立させた。

 足元の安全対策も充実していた。作業用手袋製造卸のおたふく手袋(大阪府箕面市)は、ダイヤル式で締め具を調整できるプロテクティブスニーカーを発表。快適なフィット感を追求している。安全靴と併用する靴下も展示され、帝健(大阪市北区)は、つま先が自然に上がる構造により、つまずきにくくなる「転倒禁止ソックス」を提案した。

 身体負担を軽減する製品にも注目が集まる。クラボウは腰への負担を姿勢から支えるアシストスーツ「CBW」を提案し、ユニフォーム地と同色にするなど製品カスタマイズ性も訴求する。ミドリ安全(東京都渋谷区)は腰部保護ベルトを内蔵した「楽腰パンツ」を展示。普段使いしやすい見た目の「ライト」タイプも投入し、選択肢を広げている。