ごえんぼう
2025年11月19日 (水曜日)
記者職を漠然と志望していた学生の時、毎日新聞のベテラン記者の講義を聞く機会があった▼今でも印象に残っている話の一つは、締め切り近くにならないと書く気にならないと言っていたことだ。記者たるもの、締め切りなど関係なく、書きたいという熱量が強くあるものと思っていただけに、そんなものかと少し拍子抜けした記憶がある▼時を経てそのベテラン記者の年代に近づきつつある筆者も、頭の片隅で考えながらも締め切り近くにならないと書かない癖がついてしまった。締め切り間際に集中力が高まることも大きい。締め切りを過ぎて周りに迷惑を掛けてしまうこともあるのだが▼『なぜ人は締め切りを守れないのか』(難波優輝著)には、「完全に締め切りがない状態からは生まれえない人間的な営み」もあるとし、締め切りへの向き合い方のヒントが示されている。世にあふれる締め切りと上手く付き合いたいものだ。





