イタリア繊維機械/受注指数16%減/国内外とも需要低迷続く

2025年11月19日 (水曜日)

 イタリア繊維機械製造業者協会(ACIMIT)経済部がまとめた2025年第3四半期(7~9月)の受注指数は、前年同期比16%減の41・8ポイント(21年=100)となり、国内外市場ともに減少した。国内市場では17%減の49・9ポイント、海外市場も16%減の40・7ポイントと軟調だった。

 受注残は4カ月分の生産を保証する水準で、第2四半期の3・9カ月分からわずかに改善したが、全体としては低調な需要環境が続いている。

 ACIMITのマルコ・サルバデ会長は「全体的な需要は依然として弱く、イタリア国内の受注減少は繊維サプライチェーン全体が直面する困難を反映している」と指摘した。

 一方で、海外市場には明るい兆しも見られると言う。サルバデ氏は「24年上半期の公式データによれば、イタリアの繊維機械輸出はインド、パキスタン、エジプトといった主要市場で増加しており、下半期にかけて回復の動きが出ている」と述べた。

 また、アジアの主要見本市「ITMAアジア+CITME シンガポール2025」が閉幕したばかりで、業界関係者の間には一定の楽観ムードも広がっている。サルバデ氏は「イタリアから出展した100社は、来場者数や商談の質、展示会を通じて得られたビジネスチャンスに手応えを感じている。地政学的な不確実性が和らいだ今、見本市での成果が今後の受注増につながることを期待している」と話す。