AFF・東京2025秋 日本のニーズ捉え商機つかむ
2025年11月20日 (木曜日)
中国のOEM/ODM関連企業が一堂に会する展示会「第46回AFF・東京2025秋」が19日、東京ビッグサイト東7、8ホールで開幕した。21日まで。日本市場への販路拡大に重点を置く約460社が集結。高機能や環境配慮、小ロット生産など日本企業のニーズを捉えた提案で商機をつかむ。
会場はニット、インナー、子供服、ダウンウエア、素材・副資材など分野ごとに区分けし、中国企業がブースを構えた。日本との取引が豊富な優良サプライヤーを集積した「AFFセレクション」コーナーや、高い価格競争力を持つバングラデシュやミャンマーなどの工場が集まった「東南アジア工場エリア」も設けた。
紹興柯橋少止歩テキスタイルは、ニット生地の開発と販売を主力とする。浙江省に自社工場を置く。スポーツやカジュアル用途の機能性ニット生地の開発に強みを持つ。工場の生産割合は日本向けが7割、欧米向けが2割、中国向けが1割だ。
今回展では脱炭素に向けて、CO2の回収・利用・貯留(CCUS)技術を活用した生地を提案した。担当者は「回収したCO2を繊維の原料の一部に使って作ったニット生地」と説明する。
また炭素素材「グラフェン」を使った機能性生地も並べた。遠赤外線効果や抗菌、静電気防止などに優れた多機能が特徴だ。
担当者は「環境配慮や機能性を備えた新しい生地を提案し、取引先を増やしたい」と意気込んだ。
厦門建宇実業はアウトドアウエアやワークウエアの縫製企業だ。福建省に自社工場を置くほか、ミャンマーとバングラデシュに協力工場を持つ。ロシア向けが7割を占める。2018年から日本企業と取引を始め、徐々に拡大していると言う。
今回展では多機能な合繊のワークベストを打ち出した。裏側に保温性のあるメッシュ素材を採用。ベンチレーションも備え通気性もいい。「来場者の反応も良い」(担当者)と言う。
日中の関係悪化 多少の影響も
台湾有事を巡る高市早苗首相の発言により、日中関係は不透明感が強まっている。出展者からは「これまで通り日本とのビジネスを継続したい」という声が多く聞かれた。一方で、3人で来日する予定だったが1人に減らした出展企業もあり、AFF東京展にも多少の影響が出ていた。





