ごえんぼう

2025年11月21日 (金曜日)

 「トイレは前進のシンボル」とは、11月19日「世界トイレデー」に寄せた、アントニオ・グテーレス国連事務総長のメッセージの言葉だ▼トイレは「疾病を予防し、環境を保護し、尊厳と機会を守る。安全な衛生施設がなければ、持続可能な開発は停滞してしまう」と続き、現在34億人がそのリスクにさらされているという▼汚染された水による下痢性疾患で一日に千人超の子供が亡くなり、未処理のし尿が生態系の汚染と温室効果ガスの排出に拍車をかけているそう。職場や学校に安全なトイレがなければ、女性や子供は満足に働き、学ぶこともできない。確かに「トイレは権利と生存に関わる」問題だ▼生活インフラを破壊された紛争地域や災害被災地も同様だろう。避難所では仮設トイレや携帯トイレ不足による「トイレパニック」が繰り返される。普段の生活では当たり前のトイレ。実は、平和な日常の象徴なのかもしれない。