クローズアップ/AFF 社長 黄 雨晨 氏/日本と中国を結ぶ懸け橋に

2025年11月21日 (金曜日)

 今日21日まで東京ビッグサイトで「AFF・東京2025秋」が開催中だ。中国のOEM/ODM関連の約460社が出展し、ファッション衣料を中心に繊維製品の供給力をPRしている。主催するAFFの黄雨晨社長に、見どころや今後の展望を聞いた。

――今回展の見どころは。

 「機能性」や「環境配慮」など日本のアパレル企業が求めるニーズを熟知し、そういった繊維製品を供給できる企業が出展しています。今回展の出展企業のうち、AFFに5回以上出展している企業は123社で全体の3割弱を占めます。また今回初めて出展する企業は202社に上り、回を重ねるごとに出展企業が増えています。

――日本企業のニーズと出展企業がPRする製品や技術にミスマッチが生じないよう、何か工夫されていますか。

 事前に出展企業向けのオンライン研修会を実施しています。日本側が求めるニーズや、日本人とのコミュニケーションで気を付けるべき点などを伝えています。また10月に大阪で開催した「AFF・大阪2025秋」の後には、出展者を連れ大阪の縫製工場の見学会を開催しました。日本が求めるニーズや今のトレンドなどを学ぶ機会を提供しました。

――昨年のAFFと比べ大きな変化はありますか。

 出展企業側の日本語対応力が大きく高まりました。日本語を話せる従業員や通訳者をブースに待機させている企業が、以前に比べ圧倒的に増えています。

――今後の展望について。

 ここ数年は年3回のペースでAFFを開催してきましたが、今年2025年は初めて(今回展含め)年4回開くことができました。来年の26年も年4回の開催が確定しています。出展企業が日本のニーズを組み取った提案を行うことで、来場者数も増える好循環を作っていきたいと考えています。AFFが懸け橋となって中国と日本企業を結び、対日貿易拡大につなげていきます。

――台湾有事を巡る高市早苗首相の発言により、日中関係は不透明感が強まっています。

 今回展は当初の予定通りの出展社数で開催できました。来場者数も減っている印象はありません。双方とも『貿易は貿易、政治は政治』というスタンスだと思います。日中関係の推移を注意深く見守る必要はありますが、来年もこれまで通りAFFを開催できるよう願っています。