ごえんぼう

2025年11月25日 (火曜日)

 総務省統計局の「国勢調査のあゆみ」を見ると、1970年に行われた第11回の国勢調査で日本の人口が初めて1億人を突破した。その後も人口は増えていく▼日本の人口は2008年にピークを迎え、以降は漸減傾向が続いている。今年11月の概算値は1億2319万人で、最盛期から489万人減少した。内閣府の高齢社会白書では、今から約30年後には1億人を割り込むと予想されている▼日本の経済は内需依存型といわれる。楡周平著の経済小説『限界国家』は、作中で〈内需依存の経済が成り立つには1億人の人口が必要〉とし、〈内需依存の時代は終わる〉と語る。フィクションと知りながらも怖さを感じる▼繊維はどうか。企業で差はあるが、将来的に外需は不可欠なのではないか。内需だけでの成長にいつ限界が来るのかは分からないが、事業を育てるには相応の時間がかかる。その日に向けて動く時なのかもしれない。