繊維機械のトレンド射貫く ITMAアジア+CITMEシンガポール①
2025年11月25日 (火曜日)
インドなどから多数来場
繊維機械の国際展示会「ITMAアジア+CITME シンガポール2025」が、10月28~31日にシンガポールエキスポで開催された。シンガポールでの開催は20年ぶりで、「ITMAアジア」と「CITME」の合同展になってからは初。30カ国・地域から800社以上が出展し、主に実生産のための新技術が披露された。
会期中の来場者数は2万2600人超で、109の国・地域から訪れた。同国には繊維機械の市場がないので海外からの来場が92%になり、うち南アジアからが35%、東南アジアからが30%を占めた。昨年の「ITMAアジア上海」がビザの問題もあって海外からの来場が少なかったこともあり、中国以外の市場への訴求という意味では、当初の狙い通りだったと言えそうだ。
会場は八つの館を使い、総展示面積は7万平方㍍だった。2023年の「ITMAミラノ」が20万平方㍍、24年の「ITMAアジア上海」が16万平方㍍だったのに比べると規模は抑えられている。会期も4日間と欧州開催の約半分で、「ブースでの商談数は欧州開催時の3分の2ほど」という声の一方、「そこそこ実りのある商談ができた」との声も多かった。
来場者の上位3国はインド(19%)、中国(11%)、インドネシア(10%)だったが、日本や欧州の出展者の声は企業によって異なる。織機や編み機関連では、「インドやパキスタンで訪問客数の約半分を占め、インドネシアなど東南アジアも多い」という声とともに、「中国からは少ない」という企業が多かった。一方、デジタル捺染機では「西アジアが目立ち、中国からも多かった」(コーニット)などの声もあり、分野ごとに違いがあった。
特にインドを中心とする西アジアは意欲的に視察していたようで、「今年に入ってインドの引き合いが大きく増えている」(TMTマシナリー)、「足元の販売は欧州製の2台に1台がインド向け」(イテマ)、「インド、バングラデシュ、パキスタンからの訪問が多く、具体的な引き合いもあり、意義のある展示会だった」(日阪製作所)などの声が聞かれた。
今後の成長が注目される地域では北アフリカが挙げられ、各分野ともエジプトなどからの訪問が目立ったと言う。「日本法人としての商談は40件ほど」(イテマウィービングジャパン)、「日本の機業場だけで20社ほどの商談があった」(ストーブリ)など日本からの来場も一定数あった。





