ごえんぼう

2025年12月01日 (月曜日)

 中国と関係が悪化しているのは日本だけではない。欧州とも摩擦が強まっている。先月、台湾の蕭美琴副総統が欧州議会で演説、蔡英文前総統もベルリンで講演するなど、台湾支持の動きはいっそう鮮明だ▼背景には、中国がレアアースや半導体の輸出規制を外交手段として用い、欧州連合(EU)の不信感が高まったことがある。関係が冷え込んでいたドイツも新政権発足から半年後の先月17日、ようやく副首相の訪中が実現した▼『ニューズウィーク』日本版は、台湾代表処の開設を巡るリトアニアへの圧力を機に、EUが対中依存を減らす「デリスキング」へ明確にかじを切ったと分析する▼今回の騒動も、日本の首相の国会答弁より、中国の大阪総領事による不適切発言の方が事態を大きくした面は否めない。隣国と良好な関係を保ちつつ、言うべきことは言う――それこそが本来の外交であり、日本にも今、その姿勢が問われている。