成長の可能性探る商社繊維事業~2025年4~9月期決算から①
2025年12月01日 (月曜日)
業績の明暗分かれる
総合・専門商社の2025年4~9月期繊維事業決算は、全9社のうち増収は4社で、営業利益を公表した7社のうち増益は3社にとどまった。全体的な業績の伸び悩みが見て取れる中、大幅な増収増益を計上した企業もあり、明暗が分かれた。
メーカー系商社は5社中4社が増収。営業増益は3社で、いずれも増益幅が大きく、事業の収益性が向上した。(表参照、クラレトレーディングは25年1~6月期)。
最大手の伊藤忠商事は、デサントの連結子会社化に伴う取込損益の増加が業績に寄与した。
帝人フロンティアは、衣料繊維や産業資材の販売は堅調だったが、拡販の費用や労務費などの増加を吸収し切れなかった。
豊田通商は大幅な増収で、売上総利益も増加した。
MNインターファッションは、高密度綿織物「ベンタイル」の商標権を取得するなど、素材のブランド展開を強化した。
GSIクレオスは、ファイバーのインナー用機能糸・生地の取引が伸長した。アウターは、トリアセテート繊維事業が本格稼働し、収益が向上した。
蝶理は、カーシート資材や繊維製品分野が低調に推移したことに加え、中東と中国に向けたテキスタイル販売が減速した。
ヤギは、マテリアル事業が国内外で厳しい市場環境に置かれ減収。アパレル事業は新素材が増収に貢献した。ブランド・リテール事業は気温に応じた商品マーチャンダイジングが奏功し、売上高が堅調に推移した。
田村駒は、衣料部門で素材、製品ともに減収で、繊維全体の売上高も減収となった。
三共生興は、ファッション関連事業で主力ブランドの「ダックス」と「レオナール」がともに国内外で販売を伸ばせなかった。
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次回から、主要各社の25年4~9月期決算の詳細を伝える。





