明石スクールユニフォーム カンパニー 宇部拠点探訪①

2025年12月01日 (月曜日)

モノ作りの基幹工場

 春の新入学シーズンに製品を納入するという学生服業界は、アパレル業界の中でも特殊な存在だ。中学校や高校で3年間の着用に耐えられる製品を作るという、高いモノ作りのレベルも求められる。学生服メーカーの明石スクールユニフォームカンパニーも長年にわたって蓄えてきた技術力を持つ。本連載では主力拠点である山口県宇部市の工場、物流拠点を中心に同社のモノ作りへの姿勢や強みを紹介する。

 明石スクールユニフォームカンパニーの生産・物流部門は明石被服興業が担う。主力となる工場が宇部工場だ。

 JR宇部駅から西に約1・5㌔の場所に位置する同工場は、約3万3千平方㍍の敷地へ1969年に竣工した。2001年には工場棟を全面的に建て替え新築。当時は国内アパレルメーカーの多くがコストメリットから縫製工場を海外に移していた時代で、国内では異例の動きとして話題を呼んだ。22年から23年にかけては、検査・仕上げ棟や女子寮などもリニューアルした。

 原反の入荷から裁断、縫製、検査、仕上げ、出荷まで一貫で対応できる基幹工場で、男女ジャケットや詰め襟、冬・夏セーラー服、スラックスなど、管轄工場などを含め年間で55万点を生産する。派遣社員を除き357人が働く。定期的に新入社員の採用も行っており、毎年10人ほどが入社すると言う。

 宇部工場は三つの関連工場も管轄する。たくみソーイング(宇部市)は夏セーラー服の生産が主力。阿蘇ソーイング(熊本県阿蘇市)は女子ジャケットやコート、一部小学生服を生産する。沖縄ソーイング(沖縄県糸満市)は3年ほど前まで詰め襟生産100%の工場だったが、近年の制服のブレザー化に伴い、現在はブレザー制服の生産が8割と逆転した。残りの2割は難しい仕様の詰め襟を生産している。