「第46回 AFF・東京 2025秋」レビュー 再発見のアジア企業
2025年12月01日 (月曜日)
繊維・ファッションのOEM・ODM展示会として日本最大級の規模を誇る「AFF・東京2025秋」が、このほど東京都内で開催された。中国企業を中心に約460社が一堂に会し、さまざまな角度から日本企業の要望に応えた。今回で46回を数えたが、初出展の企業も多く見られるなど、アジア繊維企業の魅力を再発見する場となった。
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10月に大阪市内で行われた「AFF・大阪2025秋」に続いての開催になった。東京ビッグサイトの東7、8ホールを会場とし、AFFセレクション、ニット、布帛、服飾品、東南アジア工場、素材・副資材、ホームテキスタイルなどのゾーンが設けられ、ブース数は約570に達した。
ニットゾーンでは、初出展企業の姿が目立った。重慶宝トウ針織品は、2017年設立の企業で、横編み製品を主力とする。自社工場には約300人のスタッフがおり、編み立てのほか、リンキングや洗い・仕上げ、検品も一貫で行う。同社は「横編み専業では重慶市で最大規模を誇る」と話す。
元々は日本向けが主体だったが、近年は欧米向けが増えていた。日本向けの復活を図るため、出展を決めた。生産能力や一貫生産によるスピード感が強みとし、価格面でも融通が利くとした。今回は婦人から紳士、子供までオールアイテムを訴求した。
NANTONG GANGKAI INTERNATIONAL TRADEは、丸編み製品と織物製品の両方を手掛ける。紳士が中心で、ジャージーやTシャツなどのカジュアルアイテムを得意とする。約50%が日本向けだが、さらなる成長を図るために出展を決めた。
短納期(約1カ月)と小ロット(100枚)対応を訴求したほか、日本企業の要望が増えている第三国での生産も検討中とした。ベトナムやバングラデシュに進出する中国系協力工場の活用を検討する。「カンボジアやミャンマーは管理が難しく、考えていない」とした。
広東省汕頭市に拠点を置く汕頭偉隆紡績・アパレルも初めての出展だった。16年の設立で、現在は中国国内と欧州向けが主体となっているが、展示会を機に日本市場の開拓を目指す。セーターやカーディガンを中心とする横編み製品を主力とし、ハンド刺しゅうも得意とする。糸から一貫生産しているのも特徴の一つだ。
日照市麗華針織服装は、紳士と子供のニットアイテムを中心に取り扱う。自家工場で裁断から縫製、仕上げまで一貫で行い、ロットなどで顧客の要望に応える。「青島市に拠点を置く貿易会社の社長に誘われて出展した」が、これを機に日本市場を積極的に開拓するとし、「来年はAFF・大阪にも出たい」と話した。





