成長の可能性探る商社繊維事業~2025年4~9月期決算から②
2025年12月02日 (火曜日)
分野で業績にばらつき
海外スポーツ事業が堅調 伊藤忠商事
伊藤忠商事繊維事業の4~9月期連結決算は、収益3312億円(前年同期比119・7%増)、売上総利益991億円(159・2%増)、営業利益146億円(132・7%増)、純利益241億円(191・2%増)だった。
デサントをはじめとした海外スポーツ分野やコンビニエンスウエアなどのOEM関連事業に加え、「大阪・関西万博」関連の事業が堅調に推移した。デサントの連結子会社化に伴う取込損益の増加もあり、大幅な増収増益となった。
主要関係会社の連結取り込みの純利益は、デサントが85億円、ドームが2億円、エドウインが3億円、三景が7億円となり、ジョイックスコーポレーションとレリアンが損失を計上した。
通期は、デサントのPMI(統合プロセス)による利益貢献を織り込み、純利益が期初計画より20億円増額の400億円を見込む。
減収減益、後半巻き返しへ 蝶理
蝶理の繊維事業連結は売上高が692億円(前年同期比7・4%減)となり、売上総利益が110億円(1・4%減)、営業利益が34億円(7・5%減)、純利益が33億円(25・0%減)の減収減益だった。
カーシート資材や繊維製品の市況が低迷したほか、中東向け、中国向け生地販売の減速が響き、減収となった。
減益には、前年に計上した投資有価証券売却益の反動が影響した。
一方で、循環型スキーム「B―LOOP」のベトナム展開、羽毛代替不織布「TORIKUMO」の開発、香港拠点からの欧米向け製品販売強化などに取り組んだ。
繊維事業の通期計画に対する上半期の進捗(しんちょく)率は、売上高で41・7%、税金等調整前純利益で41・9%にとどまるが、下半期で巻き返す。
トリアセでアウター拡大 GSIクレオス
GSIクレオスの全社連結業績は、売上高844億円(前年同期比6・0%増)、営業利益17億6400万円(2・3%減)、経常利益20億1700万円(20・2%増)、純利益13億4700万円(8・9%増)で、増収ながら本業のもうけを示す営業利益は減った。
繊維関連は分野によって動向が分かれた。増収増益を確保したのが、トリアセテート繊維事業の本格化などが寄与したアウター。売上高126億円(40・0%増)、営業利益は6億5200万円(7・4%増)だった。
ファイバーは、売上高が509億円(10・2%増)、営業利益が1億5600万円(53・6%減)。貸倒引当金繰入額などが影響した。インナーは売上高が56億7200万円(16・7%減)、営業利益は2億3800万円(93・2%増)だった。
通期の全社連結業績予想は、売上高1660億円、営業利益32億円、経常利益32億円、純利益24億円。





