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タビオ/奈良で綿花の「収穫祭」/「今後も栽培を全力で応援」

2025年12月02日 (火曜日)

 タビオはこのほど、子会社のタビオ奈良(奈良県広陵町)近くの綿花畑でわたを収穫する恒例の「収穫祭」を開いた。従業員やその家族、栽培関係者130人弱が参加した。関係者によると今年は豊作と言う。

 越智勝寛社長は11月22日に開かれた催しの冒頭で「自社栽培綿を使った靴下は開発当初、売るのが難しかったが、多く方々のお力添えで、今は糸の原料となる綿花の収穫量を心配しなくてはいけないほど売れるようになった。今後もタビオとして、綿花栽培を全力で応援していきたい」とあいさつした。

 参加者らは午前中、タビオ奈良から歩いて数分の畑でコットンボールから手でわたを摘み取った。同じ畑でサツマイモ掘りも行われた。畑のあちこちから収穫を喜ぶ子供たちの声が上がり、澄んだ秋晴れの空に響いた。

 同社は、2014年ごろから広陵町での綿花栽培に本腰を入れ始めた。創業者の越智直正氏が「糸から最高品質の靴下を作りたい」と発案したのが綿花栽培を始めるきっかけだった。その後、学術機関の協力も得て栽培方法の研究を続け、現在、広陵町一帯で東京ドームの面積に相当する5ヘクタール弱の綿花を栽培している。