青山商事やAOKI/レディース強化を加速/機能性や“オフィカジ"訴求
2025年12月03日 (水曜日)
男性スーツの市場規模が年々縮小している。青山商事とAOKIは、開拓余地の大きい婦人服を成長戦略の柱の一つに据える。先ごろ開いた26春夏物展示会では機能性を高めた商品や、オフィスカジュアルスタイルを提案。紳士服偏重から脱却し、女性顧客取り込みをテコに売り上げ拡大を目指す。(相模 活)
青山商事が都心部を中心に展開する「スーツスクエア」は、9月に立ち上げた新ブランド「CHANTOWA」(ちゃんとは)の品ぞろえを充実させる。ブランド名は、オフィスカジュアルでも「ちゃんとは、したい」とのニーズにちなむ。
クールビズが定着し、夏はノージャケット派も多い。こうした背景から、半袖ブラウスとワイドパンツのセットアップを投入する。「夏はコーディネートがシンプルになりがちなので、デザイン性をしっかり出した」と担当者。
ブラウスの前開きはボタン仕様で、ウエストをやや絞ったシルエットにした。ドルマンスリーブ風で肩回りはややはゆったり。ワイドパンツはウエスト部分にゴムを採用し、はき心地を良くした。ある程度のフォーマルさと涼しさを両立した商品に仕上げた。
主力の「洋服の青山」では、快適な夏用セットアップスーツの打ち出しを強める。目玉は東レの多機能素材「カミフ」を使った商品だ。ポリエステルだが、和紙のような風合いの素材。吸水速乾性に優れ肌離れも良い。夏でも爽やかな着心地が楽しめると言う。ジャケットはトレンドのダブルボタン仕様。ネービーとベージュの2色を用意する。
一方、AOKIが展開するショッピングセンター向け業態「オリヒカ」は、遮光・遮熱性のある素材を使ったブラウスを打ち出す。素材は東レと協同で企画した。防透け性指数は計器法で93以上(100に近いほど透けにくい)を示し、衣類などの紫外線遮蔽(しゃへい)能力を示すUPF値は最高水準の50+に達する。遮熱性にも優れ、強い日差しによる衣服内温度の上昇を抑制する。
胸元にリボン状のボウタイやギャザーなどがあるブラウスもそろえ、カジュアルになり過ぎずおしゃれを楽しめるようにした。
担当者によると、夏は肌着などが透けないように防透け性を求めるニーズが強まっていると言う。生地を厚くして防透け性を高めると快適性が損なわれる。「従来素材より薄くて軽いのに透けないのが魅力」と胸を張る。
主力店「AOKI」では、デザイナーの小川彰子さんが監修する「360度キレイスーツ」の訴求を強める。立体的なパターンが特徴の上質な見た目に加え、機能も高める。
仕事着選びにおいて、「自宅で洗えるかどうかは大きなポイントだ」(担当者)。加えて、管理職の女性らは素材や見た目の印象を重視する。こうした需要に応えるためウールとポリエステルの混紡素材を使い、家庭用洗濯機で洗える商品も用意する。





