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帝人フロンティア/複合快適織・編み物開発/「ありがたい」機能付与

2025年12月05日 (金曜日)

 帝人フロンティアは、複合快適織・編み物「カラットX」を開発した。生地構造と特殊原糸を組み合わせ、肌面のドライ感や遮熱、UVカット、防透け、汗染み低減など、着用者にとって「ありがたい」「分かりやすい」機能を付与した。27春夏からスポーツ・アウトドアを軸に幅広い用途に投入する。

 特殊織・編み物「トリプルドライ カラット」を応用し、開発した。肌側にポリエステル撥水(はっすい)糸を用いて肌面のドライ感を保つ同織・編み物の表側に芯鞘型の高濃度フルダルコンジュゲートの高捲縮(けんしゅく)仮撚り糸を配置し、緻密な表面やかさ高性を持つ構造体とした。

 肌側層には撥水タイプと吸水タイプのポリエステルを配置しており、素早く汗を吸収し、吸い込んだ汗が肌面に戻ることもない。酸化チタンを多く含んだフルダルコンジュゲート原糸が紫外線や熱を遮るとともに透け感を抑える。汗染み低減効果も発揮する。PFAS(有機フッ素化合物)フリー素材を使う。

 近年の気温上昇によりクーリング機能を持つ素材の要求が強くなっているほか、見た目への意識の高まりから汗染みを抑える機能がアスリート層からも求められる。これらを背景に、27春夏のスポーツ・アウトドア向けの重点プロモート素材に位置付けて国内外の顧客に提案する。

 生地価格は、800~千円を想定する。スポーツ・アウトドア分野に加え、ファッション衣料やインナーウエアなどのライフスタイル分野にも展開領域を広げる。2027年度に15万メートル、29年度に40万メートルの販売を目指す。