検査機関 環境関連で新たなサービス続々と
2025年12月09日 (火曜日)
検査機関が環境に関するサービスを拡充している。ライフサイクルアセスメント(LCA)や脱炭素化に関連するサポートのほか、サステイナブルカシミヤの認証を始めた機関もある。中小繊維企業にはまだ浸透していない部分もあるが、セミナーなどを通じて必要性・重要性を伝える。
カケンテストセンターは、「SuMPO EPD」(環境ラベルプログラム)登録の検証サービスを始めている。サステナブル経営推進機構(SuMPO)からSuMPO EPD検証機関として6月に登録されて約半年が経過し、「建築や電子機器関連で問い合わせが増えている」と話す。
EPDは、LCA手法を用いて製品やサービスのライフサイクル全体の環境情報を定量的に算出し、第三者機関が検証して透明性・公平性の高いデータとして情報開示する仕組み。気候変動を含めた複数の環境領域を対象とし、欧米などで活用が進んでいる。
QTEC(日本繊維製品品質技術センター)は、11月に脱炭素化支援サービスを開始した。温室効果ガス(GHG)排出量の可視化支援などのコンテンツを用意し、それぞれの状況に応じた柔軟なサポートを提供して持続可能な事業を目指す企業を支援する。
GHG排出量の可視化支援のほか、GHG排出量の削減目標・削減計画の策定支援や取引先へのGHG算定・削減要請などの働き掛けも行う。社員の教育・意識向上へのセミナーも実施する。「1、2社にサービス提供が始まった。実例ができると他社も取り組みやすいのでは」とした。
ケケン試験認証センターは今年8月、サステイナブルカシミヤの認証制度「SFA」(サステイナブル・ファイバー・アライアンス)の認証機関に国内で唯一認定された。カシミヤ生産に関連する動物福祉や環境、労働環境などを加味した認証で、重視する欧州企業も少なくないと言う。
欧州市場開拓を目指すカシミヤ関連企業があり、「そうした企業からの要請もあって認証機関認定に動いた」としている。「需要が高まっている国際認証に関しては、認証機関になれるよう取り組みを継続する」とした。





