繊維・未来塾/ビジョン発信を続ける/共感が成し遂げる力に
2025年12月09日 (火曜日)
繊維産業・繊維産地の活性化を目的に業界有志が結成し、日本繊維機械学会が事務運営を担っている「繊維・未来塾」はこのほど、大阪市内で例会を開いた。スタイレム瀧定大阪の瀧隆太社長が「変革の原点~16年間の挑戦と国内繊維産地との未来」と題して講演した。
瀧社長は、積極的な社内改革や事業変革など変革の原点として、2008年に社長に就任した直後に起こった“リーマン・ショック”による売上高急減を挙げる。「国内の生地市場で高いシェアを持っているがゆえに、国内市場の縮小という構造的問題に対する意識が希薄という『小さな池の中のクジラ』状態に陥っていた」「変化に気付かないまま“ゆでガエル”となる『突然死』への危機感が変革の出発点だった」と振り返る。
このため09年から中期経営変革プログラムをスタートさせ、生地販売の強みを生かしながら事業領域を拡大させるために製品事業、海外への生地販売、新規市場開拓などに取り組んだ経緯を説明。加えて、従来の課別独立採算制を改め、事業部制としたこと、企業理念の言語化、パーパスの策定などに取り組んだことを紹介した。
また、「日本しか作れないものがあり、それを求めるマーケットが海外にある」として、国内の産地企業との取り組みを強化していることを強調した。
瀧社長は「全てがスムーズに進んだわけではなく、葛藤もあった」としながら、企業のあるべき姿、理念、パーパス実現に向けたビジョンを発信し続ける重要性を指摘。「社内に共感が生まれ、引き付けられた人が集まるようになった。それらとともに、目標を成し遂げるようになっている」と、16年間の変革の成果を指摘した。
そのほか、塾生の発表では西染工の山本敏明社長が「今治産地の今」、大津毛織の臼谷喜世彦社長が「紡毛ウール事業から見た国内繊維産業の現状と今後していかないとと思うこと」を報告し、積極的な意見交換が行われた。





