特集 スクールスポーツウエア(3)/トンボ/明石スクールユニフォームカンパニー

2025年12月09日 (火曜日)

〈トンボ 営業統括本部 スポーツ商品部副部長 有富 修平 氏/前年並みの新規採用獲得/昇華転写で差別化提案〉

――スクールスポーツ事業の来入学商戦に向けた進捗(しんちょく)はいかがですか。

 前年とほぼ同数の約250校の新規採用の獲得につなげることができました。目標も順調に達成できそうです。

 生産面では、国内外の工場での生産数を確認しながら、生産計画を基に備蓄生産を順調に進められています。また、今後の繁忙期を見据え、各生産ラインの強化も進めています。

――体育着の各ブランドの販売状況は。

 ライセンスブランドの「アンダーアーマー」「ヨネックス」は堅調です。自社ブランドの「ビクトリー」も、学校オリジナルの表現ができる昇華転写プリントに加え、独自の軽量ポリエステルニット「ピステックス」が好評。採用校の増加につながっています。

――今期(2026年6月期)の強化点は。

 ビクトリーでは引き続き、学校オリジナルデザインという差別化提案を推進していきます。アンダーアーマーは高いブランド訴求力とともに、ブランドイメージに合ったデザインと高機能性を前面に打ち出していきます。ヨネックスは根強いファンも多く、安定的に伸びているブランドです。新商品を追加していきます。

――今期の設備投資の計画について。

 今期に昇華転写プリント用の自動裁断機(CAM)、プレス機をそれぞれ1台導入し、増強を図りました。これで、今期以降の昇華転写の生産には対応できる見込みです。

――スクールスポーツウエア専門の工場、トンボ倉吉工房スポーツ館(鳥取県倉吉市)、紅陽台昇華センター(岡山県玉野市)の生産状況は。

 倉吉の工場は稼働が始まって8年目となりました。現在、3ラインで稼働しており、生産性、品質ともに安定しています。今後は4ライン体制を目指しています。さらなる生産体制の強化を進めていく考えです。

 紅陽台昇華センターも稼働から1年が経過しました。当初は苦戦しましたが、繁忙期にはスムーズに業務が行え、納期対応にも貢献できました。今後は設備の増強や組織変更などで、体制強化を図ります。

〈明石スクールユニフォームカンパニー 取締役営業企画本部 副本部長 榊原 隆 氏/ムーブスポーツを投入/グラフィックが特徴的〉

――スクールスポーツ事業の来入学商戦に向けての進捗(しんちょく)は。

 新規採用校を100校以上獲得するなど、計画通りに進捗しています。

――各ブランドの販売状況はいかがですか。

 今春が投入初年度となった自社ブランドの「FEEL/D.」(フィール/ディー)は、シンプルなデザインで、機能性を追求したブランドです。体育の先生などからも高評価で、手応えを感じています。来春に50校の採用を予定しており、累計採用校数は100校となる見込みです。

 ライセンスブランドの「デサント」は例年並みの獲得となりました。自社ブランドの「アスリッシュ」も例年並みです。スタイリッシュかつ汎用(はんよう)性が高いデザインのため、制服との親和性も高く、制服のオプションアイテムとしての採用も増えています。

 定番自社ブランドの「ヨットスポーツ」はリブランディングをし、素材やデザインが新しくなりました。従来商品からの置き換えが増えています。

――ライセンスブランドの「ムーブスポーツ」を新たに打ち出します。

 体育着を廃止し、ビブスなどで代用しようとする学校が、ごく一部ですが見受けられます。体育の時間はワクワクとしたものです。運動することの価値や楽しさを改めて感じてもらう、体育着の価値を見直していきたいとの思いから、このほどムーブスポーツの投入を決めました。

 当社の体育着では、これまで無骨に機能性を追求してきました。一方、同ブランドは特徴のあるグラフィックデザインを取り入れ、高揚感を高めてくれるようなウエアに仕上げました。もちろん、機能性も持ち合わせています。

 3モデルを展開していきます。2027年春入学を皮切りに、初年度は50校の採用を目指します。

――来期(26年12月期)の重点施策は。

 ムーブスポーツの追加によって、当社の体育着ラインアップがそろいました。各ブランドをすみ分けしながら提案をしていきます。