丸佐 期初目標の到達目指す
2025年12月11日 (木曜日)
東レグループの繊維専門商社、丸佐(岐阜市)の上半期(2025年4~9月)は、前年同期比で減収減益だった。ボトムス、外装着などの一般衣料の受託や販売が苦戦したことが主因となった。第3四半期は増収基調で推移。第4四半期は「まだ見通せない」(木下勝弘社長)とするが、通期(26年3月期)では期初に掲げた売上高90億円、営業利益2億2千万円の到達を目指す。
木下社長は「市況は厳しいが、最後まであきらめずに通期目標の達成を目指す」と意欲を見せる。採算や売上総利益率を重視した販売では、浸透度が深まったと評価する。課題は新市場の獲得と、同社が持つ機能や優位性を生かした商材およびサービスの高度化だ。来期(27年3月期)も見据えて積極的に推進していく。
生地販売を軸に海外への販路拡大にも取り組む。新市場の獲得では、産業資材向けへの拡販を急ぐ。同社の優位性は、国内産地との協業による産元機能と、東レグループ企業とのシナジーを生かすことだと位置付ける。東レグループ企業の中では差別化した素材・生地を使い、独自の生産経路を活用した縫製品の供給が可能な点も強みと考える。
上半期の売上高は42億円(前年同期比約7%減)だった。売上総利益は約1%増も、販売管理費が約3%増えたことも影響し、事業利益では約14%減となった。販売管理費の増加は、労務費の引き上げが主な要因だとした。
原糸・原綿の販売は市況の停滞感もあり、伸長する材料が乏しく苦戦した。生地販売では、主力の詰め襟を中心とした学生服向けがブレザーなどへのモデルチェンジの影響で減少した。特殊な機能を付与した防護関連制服向けは安定した需要で供給を伸ばした。
売上比率の3分の2を占めるガーメント(製品)ではフォーマルウエアの販売が増えた。葬儀への参列者数の回復や規模拡大が寄与したと分析する。特に高級ブランドのフォーマルウエアと、ネット通販向けが伸びた。主力とする女性用ボトムスなど一般衣料は苦戦した。市場への供給過多でMDが絞り込まれるなど、厳しい商況が続くと予測する。





