関西日印協会設立1周年/プロ集団としてインドビジネス支援/特別インタビュー/理事長 西田 淳一 氏
2025年12月11日 (木曜日)
名目GDP(国内総生産)が2027年に世界3位になると見込まれているインド。24年12月に設立された関西日印協会は、この巨大市場への進出などを後押しする。三井物産を57歳で退職し、地方行政に転身して大阪府商工労働部長などを歴任してきた西田淳一理事長に、インド市場や協会の取り組みについて聞いた。
――設立して1年近くが経ちました。
一部の大企業や中堅・中小、スタートアップを中心に加入いただき、100社を目標にしていますが、現在約50社の企業に法人会員になっていただいています。このうち繊維関連は7社(ヤギ、田村駒、シキボウ、澤村、小泉、クラボウインターナショナル、旭化成)です。協同組合関西ファション連合とも連携・協力関係の構築を双方で協議しています。
当協会は、インドでのビジネス経験やネットワークを持つ、主に総合商社出身のスタッフによる組織です。経験や知見を生かし法人会員企業のインド進出に関する伴走型を基軸とした情報収集やマッチング、進出支援などのサービスを提供しています。
定期サービスとしては、インド経済・文化に関する「役に立つ」イベントやセミナーをそれぞれ月1回のぺースで開催し、会員同士の情報交換・共有のサポートも行っています。
――西田理事長は、インドとの関わりが深い。
1979年に三井物産に入社し、大阪駐在時(82~89年)に出張ベースでインドでのプレス・工作機械販売、技術供与などに関わりました。2008~10年にはインド三井物産チェンナイ支店長として現地に駐在、南インド・スリランカ(コロンボ)の支店運営やビジネスの再構築に取り組みました。
支店長在任期間中にチェンナイ日本商工会会長も務め、ジェトロ事務所や在チェンナイ日本総領事館、現地州政府や関係団体と連携して日系企業誘致にも取り組みました。08年当初、三十数社の現地法人企業登録数が10年には90社前後に増えたと記憶しています。
――経験も踏まえて、インド市場をどのように捉えていますか。
インドとひとくくりに捉えることはできません。北インドと私が駐在した南インドは言語や文化、食生活も異なります。さらにインドは28州と八つの連邦直轄領で構成されています。州の権限が強く、州ごとに産業政策が異なっているので、ビジネスにおいては、どの州が適しているのか、信頼できるパートナーなのかなどしっかり事前調査を行って見極める必要があります。
各州により産業特性や発展の度合いが異なりますが、ユーロモニターなど世界のコンサル・調査会社がデータで示している通り、5%以上の高い国内総生産(GDP)成長率の下で、中間所得層が年々増大する人口14億を抱えるインドを巨大市場と捉えています。
インドは1800年代より英国の植民地政策の下、産業が発展した歴史があり、英語を第二(準)公用語としており、欧州(米)との結びつきが強いのも事実です。一方、モディ首相はMake in India、Look East政策を強く推し進めており、日本の技術やアイデアを生かしながら共にビジネスを拡大できる余地は十分あります。
インドは成長を続ける魅力的で巨大な国内消費市場を持つ国であるとともに、アフリカや東南アジアへの輸出拠点にもなってきており、生産拠点としての魅力もますます高まっています。
財閥企業含めてハードな交渉が常に求められますが、実践知より人と人のつながりと信頼が決め手になる社会でもあります。契約や決裁に関する精緻なリスクマネジメントが必要ですが、われわれはビジネス経験豊富なプロ集団として、会員企業の皆さまのインドでのビジネスが成功するようにサポートしていきます。
インドと日本の産業経済でのつながりは、大阪・関西、しかも繊維産業からスタートしたと言っても過言ではありません。当協会の法人会員に加入していただき、大阪・関西とインドを繊維ビジネスで盛り立てていきましょう。QRコードをクリックいただき、皆さまの奮ってのご加入をお待ちしております。





