シキボウ・生活資材 UTC事業加わり幅広げる
2025年12月12日 (金曜日)
シキボウの生活資材グループは、ユニチカトレーディング(UTC)から譲受する寝装・プリント事業が2026年1月に加わる予定で、ビジネスの幅を広げる。
UTCからの衣料繊維関連事業の譲受による対象事業の売上高は、直近決算期で約171億円に上る。このうち寝装・プリント事業が10%程度を占める。
UTCの寝装事業は、大手寝具製造卸への販売が中心で、細番手糸使いの高級羽毛ふとん“側”(中わたを入れる前の半製品)用生地などを得意としてきた。シキボウは子会社の丸ホームテキスタイル(大阪市中央区)を含めてミドルレンジ向けが強く、アッパーゾーンを得意とするUTCの領域を取り込むことでビジネスの幅が広がることも期待される。
ただ、UTCの細番手使いの羽毛ふとん用生地は、閉鎖される常盤工場(岡山県総社市)でも生産していた影響から、今後一部の商材で生産が難しくなるため、対応を検討する。
プリント事業は切り売り用途などで展開している。生活資材グループにとって新たなブランド商材などが加わることになる。シナジー効果を発揮して事業を拡大させる。
後加工生かした生地訴求
シキボウの生活資材グループは、強みの後加工を生かした寝具寝装用生地・製品を提案する。
同社が10月に開いた展示商談会では、ソフトな風合いが特徴の「クリーマ」シリーズ、シワ加工の「TTC ZW加工」、特定タンパク質低減加工「ケアウォールエージー」などが好評を得た。いずれも湖州敷島福紡織品(中国浙江省)を活用して後加工している。
クリーマは、ソフトな風合いを高めた「ネオクリーマ」「ネオクリーマプラス」を加えて拡充した。カバーやふとん側向けに提案する。TTC ZW加工は、ポリエステル×ポリエステル・綿の交織にシワ加工した。生地売りのほか、同生地を側に、カポック30%・ポリエステル70%を中わたに使用した肌ふとんの製品売りも視野に入れる。ケアウォールエージーは、新たな「特定タンパク質低減加工SEKマーク」を取得し、アレルギーの原因物質と考えられている特定タンパク質の働きを繊維上で抑制する。





