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ボーケン品質評価機構/海洋生分解性試験を開始/「海洋生分解プラ」マーク取得可能に

2025年12月12日 (金曜日)

 試験機関のボーケン品質評価機構(ボーケン)はこのほど、新たにプラスチックの海洋生分解性試験を開始した。試験結果に基づいて日本バイオプラスチック協会(JBPA)の「海洋生分解性プラ」マークの取得も可能になる。

 試験は国際標準規格「ISO19679」に基づく試験・評価方法で実施する。堆積物(海砂など)を含む25℃±2℃の海水中にフィルム状の試料を入れ、海水・堆積物界面上の微生物による酸素存在下での二酸化炭素発生量によって生分解度を測定する。試験時間は最短6カ月、最長2年。

 ボーケンは、JBPAの指定検査機関になっているため、試験結果に基づいてJBPAが運営する識別表示制度のポジティブリストへの材料登録と「海洋生分解性プラ」マークの取得が可能になる。基本はプラスチックを対象とする試験だが、ボーケンでは合成繊維など繊維状プラスチックにも応用が可能だとしている。

 近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界的な問題となる中、海水中での生分解性を確認する海洋生分解性試験へのニーズは高い。国内で海洋生分解性試験を実施できる試験機関は少ないことから、ボーケンによる試験は注目を集めそうだ。