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TRENGD/トラック待機7割削減/バース予約システムで成果

2025年12月12日 (金曜日)

 東レエンジニアリングDソリューションズ(TRENGD)が開発した、トラックの工場入場予約システム「TONOPSバース予約システム」が成果を上げている。現在、東レの5工場に導入されているが、導入前は1車当たり56分だったトラックの平均待機時間が、導入後は15分と70%以上削減。二酸化炭素削減に寄与するほか、ドライバーなどの働き方改革、荷主企業のコンプライアンス順守にも貢献する。

 TRENGDでは今後、東レの導入工場を増やす一方、東レ以外への販売にも力を入れる。

 TONOPSバース予約システムは物流倉庫や工場などでトラックが荷物の積み下ろしを行うバース(荷さばき場)の利用を事前予約するもの。

 TRENGDは東レ、東レグループの物流企業、東洋運輸(滋賀県大津市)と連携して開発した。TRENGDは東レの各工場向けに生産管理システムや工程管理システムの開発・販売を主に行う。物流システムの構築は初めてだが、東洋運輸と連携しながら、3カ月でシステムを完成させた。

 きっかけは働き方関連法の一つである改正物流効率化法(新物効法)が2025年4月に施行されたこと。トラックドライバーの時間外労働が制限され、物流業界では輸送力の低下やコスト増加が懸念された。さらに、これらを解決する上で、荷主企業にもトラックの荷待ち・荷役時間の短縮が求められていた。

 従来はトラックの入場順が分からないため、工場にトラックが到着してから出荷を準備していた。それでは出荷準備の間、トラックは待機しなければならない。トラック入場が集中すると待機時間はさらに増え、出荷バースも混雑し積み込みが非効率になっていた。

 TONOPSバース予約システムはこれらを解消。事前に車両入場順を把握できるため、倉庫作業員は前もって出荷準備ができる。到着・受付情報は作業者とタブレットで共有し、待ち時間なく出荷ヤードに案内して、すぐに積み込みが始められる。バースの混雑も解消でき出荷準備、積み込み作業を効率化できる。

 システム開発に際してはドライバーの使いやすさを考慮し、余分な機能を付けずにシンプルで簡単に操作できることを重視するなど、現場に即したシステムとなっている。