ごえんぼう

2025年12月16日 (火曜日)

 今年のヒット商品が話題になる時期になった。モノではなく、コトやトキ消費が重視される中、ヒットの上位に映画『国宝』が入った。筆者も見に行った▼国宝は、6月に公開され、現在も上映されている。興行収入は好調で、これまで邦画実写作品で1位だった『踊る大捜査線THE MOVIE2』の173億5千万円を11月時点で上回った。今後どれだけ数字が伸びるのか▼物語自体が面白いのはもちろんだが、出演俳優の演技を称賛する声も多い。主演を務める吉沢亮さんは、1年半にわたって歌舞伎の稽古を重ねたそうだ。映像や演技の裏にある、そんなストーリーも人を引き付けるのかもしれない▼映画はコト・トキ消費だが、配信作品を倍速で見る人もいると聞く。まさに「消費」だ。私見を言えば、国宝は「消費した」ではなく、「鑑賞した」と感じる。モノ、コト、トキに関係なく、ヒットを生むヒントがある気がした。