ごえんぼう

2025年12月17日 (水曜日)

 13日放映のNHK『新プロジェクトX~挑戦者たち~』で、吸湿発熱繊維「ブレスサーモ」使いの肌着開発が紹介された▼東洋紡が開発したピンク色のわた「N―38」の優れた吸湿発熱性に注目したミズノの開発担当者らが、難題を乗り越えて先駆けとなった吸湿発熱肌着を生み出す話だ▼印象深かったことは、分業の各工程での粘り強いモノ作り。N―38は繊維が弱く、紡績が難しかった。その問題に挑んだのが長谷虎紡績。湿度や設備の調整などを続け1年かけて完成させた。繊維に色が入らない課題では、染色のサカレンが1年かけて生地を染め上げて商品化へつなげた▼本紙でも、2003年6月27日付などでブレスサーモの誕生秘話を紹介しているが、登場はミズノと東洋紡の2社のみ。表にあまり出ていなかった紡績、染色企業まで番組で取り上げたことは、意義がある。国内のモノ作りの底力を再認識する良い機会になった。