伊藤忠商事繊維カンパニー/ブランド価値向上に注力/各部門長が今後の方針示す
2025年12月23日 (火曜日)
伊藤忠商事の繊維カンパニーがこのほど開いた会見で、ファッションアパレル部門とブランドマーケティング部門の各部門長が、今後の事業方針などを以下のように述べた。
【ファッションアパレル部門長・辻貴由氏】
当部門は原料から製品までをつないだグローバルサプライチェーンを活用し、スポーツ、カジュアル、海外、サステイナビリティーの4分野を伸ばしていく。
スポーツ分野では、完全子会社化したデサントが、直営店強化などの施策を着実に進めている。今後も期間限定店での発信などを通じ、プレミアムスポーツブランドとしての地位確立を目指す。
カジュアルでは、エドウインがセレクトショップなどに販路を開拓しており、今後は商品力の強化で各ブランドの価値向上を図る。
海外では、中国の事業会社、伊藤忠繊維貿易〈中国〉(ITS)のスポーツ関連ビジネスが成長している。2026年以降は中国にとどまらず、日本や韓国、アジア各地に向けたビジネスを加速させる。
サステ方面では、独自の再生ポリエステル繊維「レニュー」、廃棄衣料を使用済みプラスチックと共に再資源化する「アルケミアプロジェクト」の普及に取り組んでいく。
【ブランドマーケティング部門長・岡村俊明執行役員】
劇的に変化するマーケットの状況を鑑み、小売りを起点とした発想による事業創出を推進していく。
この方針に基づき、コンバースジャパン、ジョイックスコーポレーション、レリアンなどが担う既存の中核事業を磨き上げる。例えば、卸売りが中心だった「コンバース」は、旗艦店からの発信によりブランド価値を高め、収益につなげている。こうした取り組みを加速、拡大させていく。
25年に活発化した大手アパレル関連企業との協業についても、今後の伸長を図る。
ここ数年推進するシューズプロジェクトは、各ブランドの横串を刺した展開を模索する中、モノ作りの部分は目鼻が付いてきた。さらに注力し成果を追求する。
新しいビジネスモデルの構築も重視する。大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の商品展開で得たノウハウを生かし、IP(知的財産)ビジネスを強化することも前向きに検討している。





