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東レ合繊クラスター/二つの課題加え活動強化/給与水準の引き上げ重要

2025年12月24日 (水曜日)

 東レ合繊クラスターは22日に福井市内のホテルで理事会を開き、各部会・分科会の上半期(4~9月)の活動や計画などを報告した。

 髙木義秀会長(福井経編興業社長)はあいさつで、「新体制となって2年目を迎えるが、これまでのグローバルな活動の強化、クラスター活動の連携の多様化、用途展開の進化という三つの課題に加え、二つの課題を加えて活動の強化を推し進めている」と語った。一つ目は「『顧客ニーズに合った開発シーズの具現化』と『出口戦略とマーケティング連携の強化』にチャレンジすること」と説明。新体制下の若手役員や各部会の委員会メンバーたちと、より新鮮な視点で市場と顧客ニーズを分析して理解した上で、「ユーザーの嗜好(しこう)に寄り添った商品を開発し、販売に結び付ける体制を整えていきたい」とした。

 二つ目は活動内容を「見える化」すること。組織内の活動内容の共有によるインナーブランディングの強化と、対外的なアウターブランディングの強化によって、「クラスター活動の周知と活性化につなげていく」と述べた。

 西村友伸東レリーダー(東レのテキスタイル事業部門長)は、「今年はトランプ関税など不確実性の高い情勢となっている。厳しい状況下だが、徹底的に付加価値の高い商品開発を推進し、消費者に北陸産地の技術力や開発力に裏付けされた価値を伝えていくことが重要」と指摘。北陸産地の中でも「東レ合繊クラスターの活動は注目されている。チームとしてしっかりもうけ、社員への給与水準を上げてこの業界で働きたいと思う人材が増えることが、繊維産業を活性化する上で重要と考えている」と話した。