繊維ニュース

福助 利益拡大のステージへ

2025年12月26日 (金曜日)

 福助は、利益拡大の局面に入る。この1、2年で構造改革を実施し、その成果が業績に表れ始めている。今期(2026年3月期)は、4~11月の営業利益が前年同期比13%増で推移し、年間でも同水準の増益を確保できるとみる。来期は、今期以上の成長を目指し、30%の増益を計画する。

 坂本友哉社長が就任してから2年半。最初の1、2年は構造改革に優先して取り組んだとし、ストッキング生産の鳥取工場(鳥取県琴浦町)を閉鎖したほか、不採算店舗の見直しも行った。構造改革の施策によって筋肉質な体制を作り上げ、営業利益の拡大につながった。

 構造改革は「やらなければならなかったこと」とし、今後は「やりたいこと」の実現に力を傾ける。その一つが、小売り(直営店)から卸、OEM・ODM、レッグウエア、インナーウエア、アウターウエアまで全方位で展開している特性を生かした勝ちパターン(ビジネスモデル)の再構築だ。

 中でも強みが実店舗と電子商取引(EC)による消費者直販で、「開発商品に対する生の声が聞け、レビューも集まる。売れ筋が把握でき、BtoBビジネスの際に確度の高い商品をバイヤーに提案できる」とした。肌を奇麗に見せる「スキントーンインナー」などの好事例も出てきた。

 商品自体にも自信を示す。来春夏向けから「まとう、UVヴェール」の名称で市場投入するストッキングとアームカバーは、東レのナイロンを使用することでUVカット機能と透明感を両立した。ストッキングの新しい価値とし、販売拡大に期待をかける。

 そのほか、オンライン販売や越境ECなど成長のための施策を確実に打っていく。インナー・レッグウエア市場は全体として勢いを欠いており、今期の売上高は昨年並みを予想しているが、来期には5%の増収を狙う。