東レ・不織布事業 収益倍増を目指す
2026年01月07日 (水曜日)
東レの不織布事業部は中期的に収益倍増を目指す。佐々木望不織布事業部長は「汎用(はんよう)品では生き残れない。不織布原反だけでなく、社外連携による高次加工品も含めて差別化品を強化し、収益を高める」考えを示した。
主力のポリエステルSB「アクスター」は現状、約10%の差別化比率を約30%に引き上げる。その一環として国産で採算が合わない商品は、韓国子会社のトーレ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア(TAK)製ポリエステルSBへ切り替えを進める。
不織布事業部は現中期経営課題の最終年度に当たる2026年3月期の目標未達も前期比で大幅に収益改善する見通しで、それをけん引するのがアクスター。土木資材向けが苦戦するものの、主力の欧米カートリッジフィルター向けが堅調に推移し、全社方針の戦略的プライシングとして、前期から陥没価格の是正を進めたことが寄与する。
国産で価格が合わないハウスラップ、土木資材用(ニードルパンチ加工品)はTAK製に切り替え、国産差別化品である印刷性に優れる「アクスターPF」の販売が本格化したことも収益に寄与する。
国内生産は前々期の下半期に、1系列を休止し生産能力を適正化したことも奏功。現在は1台体制でフル稼働中。今後も差別化品や高採算品にシフトし、TAK品も活用して販売拡大を目指す。また、太繊度タイプなどTAKの差別化品販売にも力を入れる。
開発設備で増産体制
滋賀事業場(大津市)に置く、中量産型開発設備を活用した、ポリエステル・ポリエチレン複合SBやフラットポリプロピレンSB、高剛性ポリプロピレンSBの「アートレイ」シリーズの本格化も見込む。既に販売するタイプもあるが、各種用途で評価が進んでおり、27年度には自動梱包(こんぽう)・自動倉庫などを整備。4組3交代制にして増産に対応する予定だ。
原反だけでなく、社外連携による高次加工も含めた差別化品の開発にも取り組む。TAKに置く貼り合わせ加工機の活用や外注を活用したプリント技術による機能性の付与、さらに日本バイリーンとの連携による開発も行う。また、用途の絞り込みも視野に入れる。
海外子会社で生産するポリプロピレンSB「リブセン」は、細繊度化、高強度などによる低目付化、ポリマー改質、後加工での機能性付与に力を入れる。
不織布事業部はアクスター、アートレイ、リブセンなど不織布のほか、PPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維「トルコン」、フッ素繊維「トヨフロン」も担当する。トルコンでは機能紙での販売、トヨフロンは摺動(しゅうどう)材や低誘電性を生かした用途開拓に取り組む。





