繊維ニュース

「飛躍」「躍動」の年へ/2026年の年頭所感

2026年01月07日 (水曜日)

 繊維関連企業の2026年の年頭所感では、今年の干支である馬にちなみ、「飛躍」「躍動」といった表現が目立った。米国によるベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の身柄拘束といったニュースが伝えられるなど、年初から世界情勢に緊張感が漂う中でも、新たな挑戦を通じて次の成長を目指そうとする意欲的な姿勢が多くの所感にうかがえた。

〈次の100年を共に創る/東レ 社長 大矢 光雄 氏〉

 2026年は次期中期経営課題をスタートさせる年である。当社が「真のサステイナブルな会社」となるために、「経済的価値」と「社会的価値」を両立し、社会に貢献する高収益企業を目指すことを策定方針とした。「『人を基本とする経営』の実践」を掲げ、個人・組織・事業のサステな成長を目指す。今年は「東レグループ創立100周年」の大きな節目の年でもある。社員が「わくわく感」を持って働き、果敢に挑戦する自由闊達(かったつ)な職場を築き、東レの次の100年を共に創っていきたい。

〈未来の旭化成を創る/旭化成 社長 工藤 幸四郎 氏〉

 旭化成はどのように成長していくべきか。共に考え、確実に実行する一年にしたい。そのために社員には、旭化成の「チーム力」をいかんなく発揮してほしいと思う。また、素材の力をわれわれ自身が再認識し、その素材の力により世界に存在感を示したい。さらに私たちの仕事は未来の旭化成を創ることであると胸に刻み、一つ一つの仕事に取り組んでほしい。2030年、あるいはその先の旭化成のために今年一年何をなすべきかを真剣に考え確実に実行する年にしたい。

〈社員全員で駆け抜ける/帝人 社長 内川 哲茂 氏〉

 2026年に当社に求められるのは、走り抜ける力とゴールまでやり切る粘りだと考えている。市場環境は厳しく、競争は激しくなっているが、「速く、深く、やり切る」を合言葉に社員全員で駆け抜けていきたい。今後追求すべきは「顧客の課題に寄り添い、その課題を解決するビジネスモデル」になる。当社の各事業が持つ製品や技術にとどまらず、グループや社外の協力も取り入れ、顧客の課題を解決し、新たな価値を生み出す。10月の帝人フロンティアと旭化成アドバンスの統合はその一歩だ。

〈経営統合の完遂を/帝人フロンティア 代表取締役社長執行役員 平田 恭成 氏〉

 今年は「現場主義」「チャレンジなくして成長はない」「コンプライアンス重視」に引き続き取り組むが、10月1日に予定している旭化成アドバンスとの経営統合の完遂も特に重要な目標としたい。スタッフ部門には多岐にわたる会社制度や業務ツールの統合を検討してもらい、営業部門には新規ビジネス創出の可能性を追求してもらいたい。全社員の協力なくして実現はできず、新会社を自らの手で作り上げる気概を持ってほしい。

〈100周年を創造のヒントに/クラレ 社長 川原 仁 氏〉

 今年度(2026年12月期)は、中期経営計画の最終年度となる。重要課題として掲げる「機会としてのサステナビリティ」「ネットワーキングから始めるイノベーション」など挑戦を自分事と捉え、プロジェクト・取り組みに関心を持ち、積極的に関与していただく。今年6月24日には創立100周年を迎える。クラレグループの歴史を大切にし、DNAとして引き継がれてきた果敢な開拓者としての精神を決して懐古主義ではなく、未来を創造するためのヒントとしてじっくり考えてほしいと伝えてきた。クラレグループの未来に向けての新たな一歩となることを心から期待する。

〈チームで結果を出す/東洋紡 社長 竹内 郁夫 氏〉

 2026年は「サステナブル・ビジョン2030」後半ステージに向けた新中期経営計画をスタートさせる年。これまでの取り組みをさらに加速し、挑戦を成果に変える。六つのアクションプランを着実に遂行し、事業ポートフォリオの改革を進める。持続的な成長を遂げるためには、「チームでやるべきことをやり抜き、結果を出す」ことが重要。現状(事実)を正しく認識し、目標とアクションプランをチームで共有・実行する。特にリーダーの皆さんには、観察し、声を掛け、進捗(しんちょく)をフォローすることでチームの力を最大限引き出す役割を一層期待する。

〈現状を変革する強い意志/カネカ 社長 藤井 一彦 氏〉

 経営指標として新製品売上高比率と海外売上高比率を重視している。どれだけグローバルに社会貢献できているかを示す指標であり、近い将来に新製品売上高比率50%、海外売上高比率70%を目指す。その達成で社会貢献を通してカネカのポートフォリオ変革が実現する。社員一人一人が現状に満足せず、現状を変革するという強い意識を持つことが不可欠だが、新しい年は新しいことに挑戦する絶好の機会。社員がチェンジすればカネカも変わり、カネカがチェンジすれば社会も変わる。

〈NBセーレンとのシナジー/セーレン 会長 川田 達男 氏〉

 2026年も引き続き「未知の可能性への挑戦!」を掲げ、持続的成長を目指す。成長をけん引するのが「次世代車種シート材」「一貫生産エアバッグ」「炭素繊維」「人工衛星」「半導体」などの重点8分野であり、未来社会に貢献する事業へと進化させる。今月1日からNBセーレン(旧ユニチカ岡崎事業所)が加わった。高度な生産技術と設備を当社独自の技術と融合し、シナジーを創出するとともに、重点8分野の事業展開を加速させる拠点とする。

〈高収益体制へ加速/クラボウ 社長 西垣 伸二 氏〉

 昨年4月に始動した3カ年の中期経営計画「Accelerate'27」(アクセル27)の初年度計画を確実に達成し、その勢いを2年目につなげる。基本方針の「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」を改めて共有し、注力事業へ経営資源を重点配分することで、高収益体制に向けた事業ポートフォリオ改革をさらに加速させる。環境変化を捉えた各施策を着実に実行し、最大限の成長を遂げられる年にしたい。

〈全員が同じ方向を向いて/日清紡ホールディングス 社長 石井 靖二 氏〉

 変化のスピードに対応し、チャンスを確実に捉えるには、自分自身もスピード感を持って改革を進めることが不可欠になる。日清紡ホールディングスグループは「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」という理念のもと、社会に役立つ価値の創出に挑み続けている。その実現には確かな経営設計と全員が同じ方向を向いて行動することが必要だ。経営陣が描く青写真に基づき、力を合わせて変化をチャンスに変え、挑戦を確かな成長につなげる。

〈貪欲に成果と収益求める/日東紡 社長 多田 弘之 氏〉

 現中期経営計画はこの春で折り返しを迎えるが、足元の状況を踏まえて見直すべきところは見直す。2025年3月期に過去最高の営業利益を達成し、売上高も18年ぶりに1千億円を回復したが、業績が好調の中で仕事をしていると自分も成長しているという錯覚に陥る。自己研さんを怠ると成長はない。また、業績も必ず踊り場が訪れ、その時に会社を押し上げる人財が必要になる。今年も健全な危機意識を持ち、貪欲に成果と収益を求め、従業員も会社も成長する。

〈新たな挑戦でビジネス領域拡大/シキボウ 社長 鈴木 睦人 氏〉

 昨年スタートした3カ年の中期経営計画「TG25―27」の施策を着実に推進する。繊維部門では新たな事業展開に踏み出し、ビジネス領域を海外へ広げることで、生産と販売が一体となってシナジーを発揮できる基盤を整えた。新中核事業の成長拡大も推し進める。

〈創立130周年で総仕上げ/ニッケ 社長 長岡 豊 氏〉

 本年は創立130周年の節目に当たり、「RN130ビジョン」の総仕上げを行う第3次中期経営計画の最終年度に入る。前年度は不確実な環境下でも、「前年よりも成長」を掲げて各事業を推進し、事業間で補完し合う強靭(きょうじん)な企業グループを構築してきた。本年も経営環境の変化にしなやかに対応し、中計目標の売上高1300億円、営業利益130億円の達成を期す。2027年度から始動する「CF140ビジョン」を見据え、「人に選ばれる」企業グループを目指し、各事業の魅力を一段と高めていく。

〈グループでシナジー発揮/ワールド 社長 鈴木 信輝 氏〉

 年末年始も、現場でお客さまにサービスを提供し続けてくれた皆さんに心から感謝する。本年は、新たな中期経営計画がスタートする予定であり、われわれの進化が試される重要な1年となる。一人一人、そして一つ一つの事業のポテンシャルを開花させグループ全体でシナジーを発揮し、これまで以上に高い次元でお客さまに価値を提供できるよう、心機一転、新たな気持ちで挑戦していきましょう。

〈次元上昇で企業価値向上/豊田通商 社長 今井 斗志光 氏〉

 2025年4月に発表した3カ年の中期経営計画では、次元上昇による企業価値向上を目指すことを掲げた。まず異能の総合商社として企業価値を高めていくには、成長投資が鍵と伝えてきた。26年3月期は既に数々の大イベントがあり、それらを通じて新たなビジネスの種まきができた。今後も平均点を目指すのではなく、各分野における強みを徹底的に伸ばし、他社にはない価値を創出していこう。

〈来年は創業100周年/オンワードホールディングス 社長 保元 道宣 氏〉

 オンワードグループは「世界に、愛を着せる。」というコーポレートメッセージを掲げ、挑戦を続けてきた。2026年は「丙午(ひのえうま)」の年にあたり、「情熱と躍動が未来を切り拓(ひら)く年」とされている。当グループとしては、来年に控える創業100周年に向けて、これまで築いてきた歴史と伝統を大切にしながら、新しい時代にふさわしい改革を着実に実行することにより、さらなる成長と進化を目指していく。

〈成長軌道に乗せる/三陽商会 社長 大江 伸治 氏〉

 2026年2月期の上半期は、主販路の百貨店の不振が続いた影響が大きく、期を通して売り上げが前年を下回る基調で推移した。下半期は、10月後半から気温の低下とともに秋冬物が本格稼働し、11月は前年を大きく上回った。残り2カ月で巻き返すべく、背水の陣で臨む。27年2月期は、会社を確実に成長軌道に乗せる。既存事業の拡大に加え、新規事業や新ブランド開発、百貨店以外の販路拡大、新商権確保、海外展開にも積極的に取り組む。

〈世界で選ばれる企業に/グンゼ 社長 佐口 敏康 氏〉

 創業130周年を迎える2026年は、キャッチコピー「読めない、GUNZE。」の下、「グローバル人財の獲得」「環境負荷低減に貢献する技術の開発強化」を重点テーマとし、それらを支えるコスト競争力を高めるためのビジネスプロセス改革に徹底的に取り組む。国際的な事業環境が急速に変化する中、グローバルで選ばれ続けるために、当社が長年培ってきた機能差異化技術をより進化させ、企業価値向上を目指す。

〈唯一無二の価値を創出/YKK 社長 松嶋 耕一 氏〉

 ファスニング事業においては、アパレル業界の調達分散、サステイナビリティー意識の高まりや消費者の嗜好(しこう)変化に伴う小ロット・短サイクル化の進行が想定される。より顧客の幅広い要望に、迅速に応えることが求められる。顧客課題に正面から向き合い寄り添うことのできる人財の育成、デジタルなどを活用したファスニング事業の一体感、〝ONE YKK〟によるバリューチェーンを構築し、それを掛け合わせることで、「YKKにしかできない」価値を創出していく。

〈夢と勇気と元気と希望/MFU 理事長 八木原 保 氏〉

 日本メンズファッション協会(MFU)では、「ベストファーザー イエローリボン賞」「ベストドレッサー賞」などを実施し、高い注目度と評価を得ている。2026年に入っても経済や地政学を含めた外部環境は依然として不透明であり、不確実性はますます高まっている。ファッション業界にとって今年も厳しい環境が続きそうだが、MFUは各事業にさらに磨きを掛け、夢と勇気と元気と希望が持てる活動に全力で取り組んでいく。