LIVING-BIZ vol.126(1)/夢中人/新春特別版/nishikawa 代表取締役会長CEO 西川 八一行 氏/創業460周年/睡眠データ核に健康で豊かな社会へ

2026年01月07日 (水曜日)

 今年創業460年となるnishikawa。西川八一行代表取締役会長CEOは「450周年で掲げた方針を着実に実践してきた」と述べ、“睡眠ソルーション企業”への進化を加速させる。

 睡眠が国の政策でも重視される中、睡眠コンサルティングサービス「ねむりの相談所」は、デジタル測定などを生かした枕やマットレス提案だけでなく、香りや音楽など総合的に訴求する。展開店舗は130店を超えた。海外でも「ねむりの相談所併設など日本モデルに近い形での展開」を計画している。

 日本睡眠科学研究所との連携強化では、睡眠アプリ「グーモ」と高精度センシングマットレス「[エアーコネクテッド]SXマットレス」を開発し、個人の睡眠の“見える化”を推進。「次の10年は睡眠が生活の基盤となり、住居や食事、化粧品選びなどにも役立つだろう」と展望。睡眠データを核とした近未来像を描く。実際、昨年の大阪・関西万博では、一部のフードコートにセンシングクッションを設置、座った人の状態に合うメニューを推奨し好評だった。

 「nishikawa ID」による顧客情報の一元管理で購入履歴や睡眠データを蓄積し、「車検のように定期的に眠りや寝具をチェックし、最適な提案を行う仕組み作り」も進める。

 消費者の価値観の多様化に合わせた売り場作りも。プレミアムからリーズナブルまで商品をグレード分けし、それに合った店舗環境にする。百貨店とは購買データと睡眠データを連携し、食や化粧品など健康・美容領域で新たな需要創出を目指す。予約システム導入で来店者増加傾向の西川チェーンでは、デジタル集客と丁寧な接客を融合し、地方でも競争力を高めていく。

 「店舗をテーマパーク化し、計測や枕作りをエンターテインメントとして提供する」考えも。歳時記やSDGs(持続可能な開発目標)など多様なテーマを発信することで、ワクワク感や学びも提供し、顧客満足度を高める。

 睡眠の価値を社会へ広める取り組みは、睡眠マネジメントに関する産学連携コンソーシアム「スリープイノベーションプラットフォーム」(SIP)設立にもつながり、昨年11月には一般社団法人化。企業連携も広がり、伊藤忠商事の社員寮でのセンシングマットレス導入など、健康経営の一環でも睡眠データ活用が進展しそうだ。「産業医の間でメンタル不調予防への有効性が認識され、社会実装の成果が信頼につながりつつある」と言う。

 直営店に試作品を発表するスペースを設けるなど、“デザインのnishikawa”も追求。物流面では、東日本の自社物流センターでデジタル技術で企業を変革するDX化を促進。西日本にも拠点を設け、効率化とともに、災害時の相互補完体制を構築する。日本寝具寝装品協会(JBA)会長として防災用寝具の基準策定を進め、避難生活への備えも強化していく。

(にしかわ・やすゆき)金融機関を経て1995年に入社。2006年代表取締役社長、23年代表取締役会長兼社長、24年より現任。