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中企庁 価格交渉調査/カインズなど最低評価/発注側評価リスト公表で

2026年01月26日 (月曜日)

 中小企業庁は23日、2025年9月の「価格交渉促進月間」の追跡調査結果に基づいて、発注企業ごとの対応状況をまとめた。過去最多522社の実名リストで、「価格交渉」項目において4段階中最も低い評価を受けた企業は3社。このうち2社が繊維、アパレル小売りに関連するカインズと学生服製造卸の明石被服興業(岡山県倉敷市)だった。

 今回公表されたリストは、25年9月の促進月間において、受注側の中小企業10社以上から「主要な取引先」として挙げられた発注企業について①価格交渉②価格転嫁③支払条件――の3項目を点数化し、評価が高い順に「ア~エ」の4段階で格付けしたもの。回答した中小企業は約7万社。

 カインズと明石被服興業は、価格交渉の項目で最低評価の「エ」が付いた。受注側が取引への影響を考え交渉を申し出なかったか、申し出たものの応じなかったケースが含まれることを示唆する。両社は価格転嫁についても「ウ」評価にとどまった。支払条件は「ア」だった。

 このほか、繊維、アパレル関連では、東レ、東洋紡の2社が3項目全てで最高評価の「ア」を獲得。ミズノ、クラボウ、帝人フロンティア、グンゼはおおむね「ア」または「イ」の上位評価を受けている。

 一方、クラレは価格交渉で「ウ」評価を受け、旭化成とワタキューセイモア(京都府井手町)は価格転嫁で「ウ」となり、コスト増に対する価格への反映が渋い状況が見て取れる。繊維専門商社のスタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は、価格交渉と価格転嫁共に「ウ」評価となった。

 全体としては、価格交渉と価格転嫁のいずれも最高評価「ア」を受けた企業は増加傾向にある。しかし、コスト上昇分の価格転嫁率(全業種平均)は53・5%と、前回3月の結果である52・4%から微増にとどまっており、依然として「全く転嫁できない」企業も16・8%存在する。

 赤沢亮正経産相は同日の閣議後会見で「発注側の企業はより一層の取引適正化に努めてもらいたい。経産省としても中小受託取引適正化法や受託中小企業振興法を厳正に執行していく」と述べた。