帝人 顧客接近型ビジネスに転換

2026年01月27日 (火曜日)

 帝人の内川哲茂代表取締役社長執行役員CEOと帝人フロンティアの平田恭成代表取締役社長執行役員は23日に福井市内で会見し、成長に向けたポイントなどを話した。内川社長は、来期(2027年3月期)からの新中期経営計画では「顧客近接型ビジネスモデル」への転換を加速し、「成長に向けたポートフォリオを示す」とした。

 顧客近接型ビジネスモデルは、単に素材や商品を販売する発想から一歩進み、帝人グループが持つ技術・経験・ネットワークを組み合わせて新たな価値を“共創”していくもの。これが成功している事業として在宅医療や繊維・製品を挙げ、次期中計ではグループ全体に広げながら成長を目指す考えを示した。

 この中で高度な技術力を持つ北陸産地との取り組みも重視する。「繊維・化学・ヘルスケアなどで培ってきた知見を掛け合わせ、北陸産地と共に未来を切り開くイノベーションを創出していきたい」と話した。

 帝人フロンティアの平田社長は26年のポイントについて、「旭化成アドバンスとの経営統合に向けた事業運営体制の確立」「衣料繊維事業のグローバルな拡大」などを挙げる。旭化成アドバンスとは競合する領域が小さく、顧客基盤の拡大・強化や新規開拓とともに、人材交流による技術・ノウハウの共有で開発の強化につなげていく。

 衣料繊維のグローバル展開では、スポーツ・アウトドアを中心にグローバルアパレル向けの素材開発や営業強化を図るほか、ASEANでの生産拠点拡充に取り組む。海外販売も強化し、「中国に続き、ASEANやインドでのテキスタイルや衣料品の販売拡大を目指す」とした。産業資材ではモビリティー事業の生産拠点の安定稼働や水処理フィルター向けポリエステル短繊維の供給力強化などをポイントに挙げた。

北陸との取引額は270億円に

 帝人フロンティアを中核とする繊維・製品事業での北陸との取引額は、今年度(26年3月期)270億円になる見通し。計画に対して約10億円減で、中東向けの減速や原糸販売で海外への供給に変える動きがあったことなどが影響した。

 来年度は既存の部分を「しっかり戻す」とともに、旭化成アドバンスとの経営統合効果による上乗せを検討していく。