間もなくミラノ・コルティナ冬季五輪・パラリンピック開幕/機能と環境で競う公式ウエア
2026年01月29日 (木曜日)
2月6日に開幕するミラノ・コルティナ冬季五輪、続く3月のパラリンピックに向け、各国代表や大会関係者が着用する公式ウエアが出そろった。アシックス、アディダス、ユニクロ、ルルレモンなど主要ブランドが参画し、防寒性や動作性といった競技性能に加え、環境配慮や国の象徴性を織り込んだ設計が特徴だ。競技、式典、業務まで多様な着用シーンを想定し、スポーツウエアは機能とサステイナビリティーを競う舞台となっている。
〈イタリア/EA7エンポリオアルマーニ:軽量防寒と統一美〉
イタリア代表の公式ユニフォームはEA7エンポリオアルマーニが提供する。高機能素材をベースに、ミルキーホワイトを基調とした統一感ある色使いが特徴。ダウンジャケットを備えたスキーセットやスキースーツ、ジャケットなどを展開し、防寒性と軽量性を両立させた。グリーン、ホワイト、レッドのトリコロールをアクセントに用い、国の象徴性を演出。グローブやバッグ、スニーカーまで含めたトータルコーディネートで、競技環境だけでなく移動や公式行事にも対応する実用性を持たせている。
〈日本/アシックス:高機能と環境配慮〉
日本代表の公式スポーツウエアはアシックスが手掛ける。コンセプトは「パフォーマンスとサステナビリティの両立」。屋外用と屋内用の2タイプを展開し、防水透湿素材やバッフル構造により冬季環境下での快適性と運動性を高めた。素材面では、GRS認証リサイクルダウン、PFASフリー撥水(はっすい)剤、防水ラミネートを採用。付属パーツにもサプライヤー由来の廃材を使用するなど、資材選定段階から環境配慮を徹底した。主要アイテムには製品ライフサイクルに基づく温室効果ガス排出量を表示し、環境負荷の可視化も図っている。
〈カナダ/ルルレモン:体温調節と多様性〉
カナダ代表の公式キットはルルレモンが開発。体温調節機能を重視した素材設計が特徴で、寒冷地での着用を想定した多層構造を採用した。ストレッチ性と軽量性を備えた化繊素材を中心に、動きやすさと保温性を両立。ジェンダーや体形差に配慮したインクルーシブ設計も盛り込み、サイズ展開やパターン設計に反映した。デザイン面ではメープルリーフを象徴的に用い、機能性とナショナルアイデンティティーを融合させたウエアとして位置付けている。
〈米国/ラルフローレン:式典重視の伝統美〉
米国代表の公式ユニフォームはラルフローレンが担当。ウールやニット素材を中心に、伝統的な米国スタイルを現代的に再解釈した。防寒性を確保しつつ、式典時の見映えを重視した素材構成が特徴。天然繊維を軸にしながら、軽量中わたや機能裏地を組み合わせ、冬季大会に対応する保温性と快適性を両立した。競技用ではなく、開会式・閉会式や選手村での着用を想定した設計で、ファッション性と公式ウエアとしての品格を重視している。
〈フィンランド/ルフタ:寒冷地向け実用設計〉
フィンランド代表の公式ユニフォームは、同国発のスポーツ・アウトドアブランド「Luhta」(ルフタ)が提供する。寒冷地での着用を前提に、防寒性と耐久性を重視した素材設計が特徴。防風・防水機能を備えたシェル素材と、中わたを組み合わせたレイヤリング構造を採用し、厳しい冬季環境下でも体温を安定的に保つ。化学繊維を中心に、軽量性と動作性を確保している点も特徴。デザインはブルーを基調に、フィンランドの自然や静けさを想起させるミニマルな表現に抑え、競技や移動時の実用性を優先した構成となっている。
〈英国、ドイツなど12チーム/アディダス:高機能量産モデル〉
アディダスは英国、ドイツ、ポーランド、トルコなど12チーム向けに公式キットを提供する。競技用から表彰式、選手村用まで約700点で構成。素材には防水透湿性を備えた「CLIMAPROOF+」(クライマプルーフ・プラス)や、伸縮性と耐久性に優れる「プライムニット」を採用し、冬季競技に必要な可動性と耐候性を確保した。各国共通の構造をベースに、国旗やエンブレムを反映したグラフィックで差別化。高機能素材を軸とした量産対応力が特徴となっている。
〈大会組織委員会/サロモン:レガシーを意識〉
大会組織委員会は、プレミアムパートナーのサロモンと協働し、ボランティアやスタッフ約1万8千人向けに高機能ユニフォームを開発。総供給数は約40万点に上る。ユニフォームは山岳と都市の二つの使用環境を想定し、防寒性、防水性、通気性などを備えたレイヤリング設計を採用。アウタージャケットには耐候性素材を用い、ミッドレイヤーやパンツは用途別に仕様を分けた。シューズには防水透湿素材「ゴアテックス」を使用したハイキングブーツを採用する。競技用技術を基にした素材設計で、長時間の業務に耐える快適性と耐久性を両立。大会後も使用可能な「レガシー」を意識した点が特徴だ。
〈スウェーデン/ユニクロ:機能性と持続性〉
ユニクロは、スウェーデン代表が着用する公式ウエアを提供する。スウェーデン・オリンピック、パラリンピック委員会とのパートナーシップは7年目で、公式ウエア提供は4大会連続となる。コンセプトは「Grace. Strength. Unity.」。都市間の気温差に対応するため、高い機能性と快適性を備えたライフウエアとして設計した。吸湿発熱素材「ヒートテック」や中わた素材「パフテック」に加え、東レの防水透湿素材「ダーミザクス」を式典用ジャケットとパンツに採用。結露を抑え、厳しい冬季環境下での着用品質を高めた。素材改良やミリ単位のフィット調整を行い、選手の動作性を向上させている。環境面では、温室効果ガス排出量の少ない素材比率を約42%に高めた。





