特集 26春夏オフィス&サービスウエア(2)/需給の変化を捉える
2026年01月30日 (金曜日)
〈コスト三重苦が圧迫〉
現在の事業環境における懸念事項(複数回答)では、「原燃料費の高騰」を26社が指摘した。次いで「人件費高騰」20社、「為替の急激な変動」が16社となり、コスト面での課題が他を圧倒した。
オンワードコーポレートデザインは「オフィス市場は縮小傾向。外食や介護などでは付加価値提案が難しく、価格競争が激しい」と指摘。
また、住商モンブランが「コモディティー化による価格訴求の影響により市場縮小の懸念」を挙げるなど、単なるコスト高だけでなく、商品価値のデフレ化に対する危機感も強い。
〈国内回帰と慎重姿勢〉
海外市場への展開については、「海外進出は考えていない」が8社、「将来的には進出したい」が7社と、国内市場重視または慎重な姿勢が目立つ。ただ、「既に海外現地販売を行っている」は6社、「海外販売の準備段階」「パートナー企業が見つかれば進出したい」各4社で海外進出に意欲的な動きも一定数見られる。
一方で具体的な動きとして、ボンマックスは「和テイストのユニフォームや浮世絵コンテンツを中心に、海外市場への販売を強化する」としており、独自性のあるコンテンツでの越境ネット通販などを視野に入れている。KAZEN WLDは「メディカル分野においてはアジア地域の成長に伴って、メード・イン・ジャパン商品に手が届く状況になった」と品質重視の輸出に商機を見いだしている。
〈進化の方向を見据える〉
今後のオフィス、サービスウエアの進化の方向性(複数回答)では、「環境配慮素材採用アイテムの拡充」が14社でトップとなり、「ジェンダーニュートラルデザイン化」13社でそれぞれ他を突き放した。次いで「複数アイテムからの自由選択制」9社、「スポーツウエアの技術・素材との融合」「ブランデッドアパレル化」各7社、「資源循環システム保有」6社などとなった。
エムズは「アパレルブランドとの共同開発でデザインの幅を広げ、ジェンダーニュートラルなどを取り入れている」とし新市場獲得を目指す。
特筆すべきは、ヤギコーポレーションの「同一素材で多数の型番をそろえることで、選択の幅を広げて自由度を高める企画」や、オンワードコーポレートデザインの「リサイクルなど循環型のシステムとの連携」といった具体的なソリューションへの言及だ。
これらは、単に「服を売る」だけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)対応や多様性尊重といったクライアント企業の経営課題を解決するツールとして、ユニフォームを再定義しようとする業界の意志の表れと言える。
〈過半数が展示会開催〉
新型コロナウイルス禍を経て、リアル展示会の開催は完全に定着した。別注主体のメーカーで元々開催していないケースや、ワークウエア主体の展示会のみ開催といった企業も含まれるが、27社中15社が開催を予定する。
各社とも、新商品の実物展示に加え、ブランドの世界観を伝えるフロアショーや具体的なソリューション提案の場として展示会を位置付ける。26春夏商戦は、価格と価値のバランスをどう提示できるかが、勝負の分かれ目となりそうだ。
アンケート協力企業
アイトス、明石スクールユニフォームカンパニー、アルトコーポレーション、エムズ、オンワードコーポレートデザイン、KAZEN WLD、カーシーカシマ、ガードナー、金星、国立、サーヴォ、サカノ繊維、ジョア、神馬本店、住商モンブラン、セフティ繊維、セロリー、辰野、チクマ、ツカモトコーポレーション、ハネクトーン早川、ベスト、ボストン商会、ボンマックス、ミドリ安全、持田、ヤギコーポレーション(五十音順)
〈ジョア/台湾市場進出でイベント〉
オフィス、サービスウエア製造卸のジョア(岡山市)は昨秋、新規事業として自社ブランドの台湾進出を大々的に発信するため、台湾の五つ星ホテル「マンダリンオリエンタル台北」で記念イベントを開いた。
当日は、現地の新聞社3社とテレビ局1社、企業オーナーなどの富裕層100人以上を招き、美容医療向け「ラ・ボーテコレクション」と接客業向け「華やぎコンシェルジュ」のファッションショーも開いた。
現地では、ファッションドレスなどを主力とするアパレル企画会社で、ホテルや銀行の別注ユニフォームも手掛ける卓蓉制服(台北市)と販売代理店契約を締結している。





