公益社団法人環境生活文化機構/30年の信頼、次代へつなぐ

2026年02月02日 (月曜日)

 公益社団法人環境生活文化機構(ELCO)は2月1日に設立30周年を迎えた。環境に配慮した繊維製品の再生利用を進めることで、廃棄物の適正処理と資源の有効活用を促す活動に継続して取り組んでいる。これからも天然資源の消費を抑え、環境への負荷をできる限り減らした持続可能な生活文化の創造に貢献していく方針だ。

 公益目的事業としては、「環境保全に配慮したユニフォームのリサイクルシステム提供」「持続可能な社会づくり活動表彰」をはじめ、講演会やシンポジウムの開催、調査研究、普及啓発活動を行っている。

 リサイクルシステム提供事業は、同機構が交付する「リサイクルマーク」を環境保全に配慮したユニフォームに縫着し、製造から販売、供用、回収、再生利用などまでユニフォームの生涯管理を行い、使用済みユニフォームを適正に再生処理する。マークはリサイクル方法がマテリアルかケミカルかによって2種ある。

 リサイクルに意欲があるユニフォーム製造事業者の取り組みを促していくとともに、製造段階から会員である製造事業者の協力を得てユニフォームを管理することによって、マーク交付から数年後の使用済みユニフォームのリサイクル処理まで生涯管理を行うことができるリサイクルシステムの運営を実現している。

 持続可能な社会づくり活動表彰事業は、地域社会・国際社会への貢献、資源循環、環境教育と生物多様性保全活動など豊かな環境を引き継ぐため、持続可能な社会づくりに向けた活動を行う企業または団体を環境大臣賞などで表彰している。

〈理事長 堀松 渉 氏(チクマ代表取締役社長)/果たす役割は重要〉

 私たち環境生活文化機構は、今年度、設立30周年を迎えることができました。これもひとえに、会員・関係者の皆さまの温かいご支援とご協力のたまものであり、心より感謝申し上げます。

 当機構は、岡山のユニフォームメーカー、安研を起業された初代理事長・虫明清一氏が1992年のリオ宣言に感銘を受け、自社製品でも何か地球環境に貢献できるのではないかと発起されたことに始まります。

 2代目理事長でもあられ、私が代表を務めるチクマの竹馬隼一郎前社長と二人三脚で各所にお声掛けをし、ケミカルリサイクル技術を提供いただいた東レをはじめ、多くの繊維製品やアパレル等の関係事業者が集いました。

 繊維事業者がきっかけでしたが、繊維といえば衣食住。衣食住といえば、私たちの身近な「生活」であり、生活は、文化そして社会経済の基盤であることから、当機構は「環境」「生活」「文化」を冠した団体として組織し、環境庁(現・環境省)から多大なるご指導をいただき、元環境庁長官の広中和歌子氏を会長にお迎えし、96年2月に設立しました。近年、30周年を迎える環境団体が多いと聞きますが、繊維産業の分野では環境意識の広がりはなかなかに遅く、虫明理事長はまさにパイオニアであられました。

 メインの事業であるユニフォームリサイクルシステム提供事業、通称「リサイクルマーク事業」は、使い終わってはじめてリサイクルを考えるのではなく、製品製造時から環境保全に配慮したユニフォームを推進するという理念の下、システムの利用証明に当機構のリサイクルマークを縫着して、使用済みとなったら回収・リサイクル処理するという事業です。

 設立当初から実施してきた事業ですが、ユニフォームはさまざまな環境を想定し安全性や機能性を考慮した丈夫な衣服ですので、製造から回収までに数年の時間が空きます。ユニフォーム製造時に着用ユーザーから当事業の趣旨にご賛同いただいていても、使用済みとなって回収・リサイクルまでの一連のフローが軌道に乗るまでには時間がかかりました。

 今では、製造事業者責任により廃棄物を再生利用することを目的とした環境省の特例制度である広域認定を取得し、年間約15万点、累計約258万点(2024年度末時点)の回収・リサイクル処理を行うまでになりました。

 この30年間で、ユニフォームリサイクルシステムの提供事業を中心に、表彰事業や瓶のリユースシステム構築事業、高尾の森でのユース育成事業など多様な事業に取り組んできました。

 また、公益法人制度改革に伴い、13年には、内閣府から公益社団法人の認定を受け新しいスタートを切りました。多くの挑戦がありましたが、私たちはその都度、環境保全の重要性を再認識し、持続可能な社会の実現に向けてまい進してまいりました。

 日本国内でも今まさにサステイナビリティー、サーキュラーエコノミーへの関心は大いに高まってきており、ユニフォーム業界において環境配慮が重要な課題になりつつあるなか、当機構の果たす役割は重要性を増してきております。

 30年という節目に、私たちは改めて公益法人としての責務と使命を胸に、今後も民間の力を生かしながら、かけがえのない地球と人類の文化が共生し、地球環境の恩恵を享受できるよう、環境保全に係る生活文化および社会システムに関する環境保全に資する公益事業を広く展開してまいります。引き続き当機構へのご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

〈表彰式を開催/持続可能な社会づくり活動で〉

 環境生活文化機構は2025年11月26日、主催する「2025年度持続可能な社会づくり活動表彰」の表彰式を都内で開催し、受賞した企業・団体に表彰状と賞金を贈呈した。

 受賞は次の通り▽環境大臣賞=NPO法人真庭あぐりガーデンプロジェクト「環境・農業・福祉連携による『お節介野菜プロジェクト』で支える循環型社会」▽地域づくり活動賞=NPO法人棚田LOVERS「いのちあふれる棚田を未来の子どもたちにつなぐための約20年間の挑戦」▽ESD活動賞=新渡戸文化学園新渡戸文化中学校・高等学校「森林保全と絶滅危惧種周知を目的とした国際認証マーク普及活動」▽資源循環活動賞=アースサポート「持続可能な地域共生と資源循環の実践―廃棄物のリサイクルと地域連携で未来を創る」▽生物多様性保全活動賞=大同特殊鋼「浜頓別PROJECT―クッチャロ湖自然再生および地域活性化プロジェクト」。