特集 第23回ジャパン・ヤーン・フェア(5)/原料、製法、意匠性で差別化/東洋紡せんいと御幸毛織/長谷川商店/トスコ/豊島/東和毛織

2026年02月10日 (火曜日)

〈長短複合紡績を前面に/東洋紡せんいと御幸毛織〉

 東洋紡せんいと御幸毛織は、リサイクル綿糸「さいくるこっと」や、得意の長短複合紡績を前面に打ち出す。

 さいくるこっとは特殊開繊技術によって細番手が可能。「ネイチャーブリッジマナード」は、シルクや綿とマスバランス方式を含むケミカルリサイクルナイロン繊維「ループロン―C」の複合紡績糸と、リネン、再生ポリエステル繊維の複合紡績糸を見せる。

 鞘に綿、芯に再生ポリエステル短繊維を配した2層構造紡績糸「テクノコット」、常圧カチオン可染ポリエステル糸「カラファイン」、ポリエチレンとループロン―Cを混繊した冷感素材「すーぱーツベタイン」も紹介する。

 御幸毛織は長短複合紡績糸「マナード」シリーズを提案する。ウール・再生ポリエステル複合のマナードSW、ウール・トリアセテート複合の同TAのほか、マナードと和紙糸の撚糸やループロン―Cと複合した「ループロンマナード」などバリエーションを見せる。

〈多彩な織物向け意匠糸/長谷川商店〉

 長谷川商店(愛知県一宮市)は織物向けに適する、多彩な意匠性を持つ糸を紹介する。

 同社はシルクを中心に天然繊維製の原糸を広く扱い、その多くが編み地やニット製の製品に使われる。尾州をはじめ西脇や岡山の製織企業向けに訴求を強めることを意識し、織り組織の設計がイメージしやすい“糸ひねり見本”を多数そろえる。

 糸ひねり見本はシルク製以外にレース、テープ状の和紙、ブークレー、ループヤーン使いなどを多数そろえる。形状だけでなく手触りも確かめられる。

〈尾州産地に麻糸を/トスコ〉

 トスコは、ラミーとリネンの両方を尾州産地の企業に訴求する。ラミーは100%使いのほか、ウール混の糸をラインアップする。リネンは原料高が続く中、シルクを複合することでさらに付加価値を高めた糸を打ち出す。生地で約50点、糸で約20点紹介する。

 ラミー100%では、トプ糸と染め糸を展示する。自社紡による安定供給が特徴で、織物と丸編み用の単糸、横編み用の双糸を在庫している。ラミー・ウール混は、ドライ感や光沢感などが特徴で、春から夏、秋まで対応可能。

 シルク・リネン混は光沢感などに優れている。昨年から細番手の45番(毛番)の動きが順調なほか、24番(同)の太番手糸が横編み用途や手芸用途で評価を得る。JYでは、36番も展示する。

 同社は紡績の自社拠点を持ち、「アイデアをもらえれば一緒にモノ作りができる」とした。

〈合繊、天然繊維の新素材/豊島〉

 豊島は新商材を中心に多彩な糸を提案する。合繊による機能性のほか、ウールの魅力を生かした素材や既存商品の新シリーズを打ち出す。

 新素材の「モイスヒート」は最大で綿の5倍、レーヨンの3倍以上という高い吸湿性を備えたアクリレート繊維だ。温度や湿度環境に応じて吸・放湿を繰り返し、吸湿する際の吸着熱で発熱。保温性や消臭性にも優れる。

 以前から展開していた、トルコ産のトレーサブルオーガニック綿「トゥルーコットン」は紡績方法を工夫し、ムラ糸を新たに加えた。有機綿使いのムラ糸は珍しい。

 「エンジニアドウール」はウールの多彩な機能性をアピール。梳毛から紡毛、織り、編みまでを訴求する。

 ほかにも、食品残渣(ざんさ)を染料に活用する「フードテキスタイル」のウール糸や、独自の製法で作る和紙糸「ワガミ」なども展示する。

〈厳選ウール×機能と風合い/東和毛織〉

 東和毛織(愛知県一宮市)は豪州や南米など世界各国から厳選したウール使いで、原料の特徴を生かしつつ機能性や風合いなどを加えた糸を披露する。アパレル以外に服飾雑貨や靴下、手芸糸向けにも訴求を強める。奈良・高野口産地企業との協業も深めたいとする。

 今回展では豪州産スーパーファインウール使い糸を紹介する。16・5マイクロメートルと高繊度な豪州産ウール原料を防縮加工して光沢感と滑らかさを引き出した「ウィザード」は、68番3本撚り糸と微強撚タイプ48番双糸の2種類をそろえる。シルクのような滑らかなタッチに仕上がる。24色展開。

 高繊度17・5マイクロメートル豪州産メリノウールと超極細ナイロン混の「フロート+」は膨らみのあるソフトな風合いを持つ。ウールが持つ保湿性と吸湿性を保ちつつ、ナイロン特有の耐久性や耐摩耗性も兼ね備える。ナチュラル系の色も含めて8色がそろう。