合繊メーカー25年4~12月期 不確定要素多くまだら模様
2026年02月13日 (金曜日)
合繊メーカーの2025年4~12月期決算は、全社ベース、繊維関連事業ともに増収増益と減収減益が入り混じるまだら模様となった。米国の関税政策の影響や不安定な市況といった不確定要素が多く、用途や取引先ごとの明暗が分かれやすい事業環境となっている。
繊維事業を見ると、東レの強さが際立つ。全社ベースでは減収減益ながら繊維事業は増収増益を確保した。衣料用途は競争激化の中でも堅調に推移。産業用途は自動車用途などに市況停滞感があるものの、コスト削減の努力などで収益を確保した。ただ、炭素繊維複合材料事業は減収減益。宇宙航空用途は堅調だったが、一般産業用途は圧力容器用途などの調整局面が続いている。
帝人は、アラミド事業や炭素繊維事業の構造改善費用と減損損失を計上したため全社ベースで最終赤字となった。これにより両事業を含むマテリアル事業は構造改革が進んだが、大型定期修繕や販売構成の悪化で減収減益。好調が続いた繊維・製品事業も減収減益となるなど、やや踊り場。販売量は堅調だったが、前年度の前倒し出荷の影響や一部用途の需要が弱含んだ。今後の拡販に向けた取り組みのための費用が増加したことも利益を押し下げた。
旭化成のマテリアルセグメントのうち、繊維関連を含むカーインテリア事業は売上高1216億円(1・3%増)、営業利益63億円(24・3%減)だった。欧州での販売は堅調だが、中国や北米で減少した。コンフォートライフ事業は売上高1935億円(2・2%減)、営業利益141億円(17・4%減)。キュプラ繊維「ベンベルグ」とスパンデックス「ロイカ」は市況に勢いがなく、共に販売が計画を下回る。子会社の旭化成アドバンスは順調だった。
一方、構造改善の成果が出ているのが東洋紡。機能繊維・商事事業は減収ながら大幅増益となるなど“稼ぐ力”が回復しつつある。衣料繊維は中東民族衣装用織物の好調が続いており、苦戦していたスポーツ用途も黒字浮上した。エアバッグ基布も収益性が回復しつつある。環境・機能材事業は減収減益だが、不織布マテリアルは国内生産体制見直しの効果で収益改善が進む。
事業再生計画を遂行しているユニチカは、全社ベースで最終黒字を回復した。機能資材事業は活性炭繊維やガラス繊維が堅調に推移し、不織布、産業用繊維は営業赤字が縮小した。繊維事業も増収で営業黒字を回復した。不採算販売の見直しやコスト削減の成果が上がる。
25年1~9月期のため直接比較できないが、クラレはトレーディング事業が増収増益。繊維関連はスポーツ・アウトドアの好調が続いている。一方、繊維事業は減収・大幅減益。繊維資材は建材用途が欧州の市況低迷で振るわず、人工皮革「クラリーノ」もラグジュアリー用途や自動車用途で欧州や中国の市況低迷の影響を受けた。





