この人に聞く/帝人フロンティア 代表取締役兼社長執行役員 平田 恭成 氏/足し算ができる会社に

2026年02月17日 (火曜日)

 帝人フロンティアと旭化成アドバンスは今年10月に経営統合し、新会社を発足する。帝人フロンティアの平田恭成社長は「互いの良いところを残し、足し算ができる会社にする」とし、「何かを削ることは考えていない」との考えを示した。4月に統合準備室長に就く平田社長に、新会社の方向性などを改めて聞いた。

  ――商社の事業を取り巻く環境は。

 以前と比べて繊維を中心とする商社が少なくなってきました。繊維の取扱高が減少し、マーケットでの存在感が過去に比べると弱くなっているように見受けられます。昨年は、合繊メーカーの繊維事業撤退の話が持ち上がりましたが、業界全体が再編のムードになっているのかもしれません。

  ――旭化成アドバンスとの統合の経緯を。

 元々、互いの技術や特許を生かして何か新たな取り組みができないかと話し合っていました。得意とする商材は違いますが、ターゲットとするマーケットは似た部分があり、補完が可能と考えていました。話し合いが進む中、もっと大きな取り組みができるのではないかという考えに至りました。

  ――他社からスパンボンド事業やエアバッグ事業も取得しました。

 現在の事業だけでは売上収益をこれ以上拡大するのは難しく、成長に向けた事業買収などは必要だと考えてきました。ただし、ユニチカのスパンボンド事業と東洋紡の中国エアバッグ事業の取得、今回の経営統合は同時に狙ったのではなく、チャンスや縁、タイミングがたまたま重なりました。

  ――統合会社の方向性は。

 連結で売上収益4400億円、事業利益220億円規模でのスタートになります。収益性を度外視するわけではありませんが、不採算事業を削り、筋肉質の体制にしようとは現時点では考えていません。まずは互いの良いところを足し算して規模を大きくし、顧客に選ばれる会社を目指します。

 当社の場合、糸・わた、テキスタイルまではポリエステルが中心です。これを製品化する時に旭化成アドバンスのナイロンやキュプラ繊維、加工技術を組み合わせることができると思っています。産業資材では、当社の生活製品、旭化成アドバンスの建材や樹脂化学品でクロスセルに期待できます。

  ――統合に向けて課題は。

 大きな問題はないと認識しています。社風の違いなどが指摘されますが、心配していません。両社とも北陸産地と深い関わりを持っていますが、産地の企業からは「両社は似ている」と言われます。現在、法令を順守しつつ、人事や総務関連で統合に向けた打ち合わせを進めています。