綿紡績大手4~12月期/繊維事業の苦戦続く/一部で黒字回復も
2026年02月19日 (木曜日)
綿紡績大手の2025年4~12月期決算が出そろった。繊維事業は人件費や原材料、エネルギーのコスト上昇に加え、消費者の節約志向も響き、シキボウ以外が減収減益となった。全体では半導体関連など非繊維分野が好調で収益力が高まる中、各社は不採算事業の見直しや高付加価値製品への転換を進め、繊維事業の収益改善を急ぐ。
シキボウは、営業黒字を確保した。原糸販売で高付加価値糸が拡大したほか、中東民族衣装向け生地輸出が好調を維持するなど、全分野が堅調に推移している。ユニチカトレーディング(UTC)の衣料繊維事業譲受に伴う負ののれん発生益6億1100万円を計上し、全社の純利益が増加した。UTCの業績は第4四半期から反映され、海外拠点の相互活用などによる事業拡大を見込む。
クラボウは、安城工場(愛知県安城市)の閉鎖に伴う異常操業費用の計上により営業赤字となった。糸は原綿改質による機能糸「ネイテック」や、タイ子会社のデニム向けが順調で増収だった。ユニフォームもアパレル向け製品の受注増加により増収となったが、カジュアルは国内SPA向け生地の受注減少により減収となった。
富士紡ホールディングス(HD)の生活衣料事業は、インナー「BVD」など繊維製品の販売において、主力の年間定番品が売り場の縮小や消費者の買い控えの影響を受けて苦戦した。アウトドア向け製品はOMO(オンラインとオフラインの融合)戦略により、認知度が向上し売り上げが計画以上に伸びた。
日東紡の資材・ケミカル事業は、製品値上げの効果が寄与したものの、原材料を中心としたコストアップの影響を受け、減収減益となった。子会社の日東紡アドバンテックスは、接着芯地をユニフォームや紳士分野へ拡販し微増益だった。
日清紡HDの通期(25年12月期)は、主力のシャツ事業で超形態安定加工「アポロコット」などの受注が低迷し、損益が悪化した。ブラジル拠点の原糸販売は、前年の好調の反動や原綿相場の変動により減収減益となったが、収益は確保。ユニフォーム事業は企業別注品の増加などで損失が縮小し、開発素材事業も価格転嫁により損失は縮小したが、セグメント全体では厳しい結果となった。





