ユニフォーム/易リサイクル化広まる/分離技術待たず設計で先行
2026年02月25日 (水曜日)
経済産業省が策定した「繊維製品における資源循環ロードマップ」は、2030年までに「繊維to繊維」のリサイクル量を5万トンとする野心的な目標を掲げる。この実現に向け、繊維・アパレル業界は今、設計段階からの根本的な変革を迫られている。特に、回収スキームが構築しやすいユニフォーム業界では、複合素材の分離技術の開発を待つのではなく、先行してモノマテリアル(単一素材)化をはじめとする易リサイクル設計を取り入れる動きが急速に広まってきた。(甘利昌史)
市場に流通する衣料品の多くは、綿とポリエステルなどの混紡品や、機能性向上のための複合素材で構成されている。これらはリサイクル時の選別・分離が技術的に困難であり、資源循環の大きな障壁となっていた。
この課題に対し、国家レベルでの技術開発も進んでいる。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「バイオものづくり革命推進事業」では、帝人フロンティアや東レをはじめとする繊維メーカー5社と研究機関による共同提案を昨年採択。酵素による選択的分離や微生物を使った繊維原料への再資源化といった技術開発に取り組んでいる。
しかし、こうした高度な分離技術の実用化・普及には時間を要する。そこで、ユニフォーム業界が先行して取り組んでいるのが、そもそもの分離の手間をなくすアプローチである。
生活用品専門商社の三栄コーポレーションはこのほど、JEPLAN(川崎市)、e.dye(イーダイ、香港)との協業で、完全循環スキームを構築した「グリーンユニフォーム」事業を立ち上げた。ユニフォームの部材をポリエステル素材に統一し、使用後はパーツごとの分解作業を経ずに丸ごとケミカルリサイクル工程に回し、その後の再製品化につなげる資源循環システムだ。製造過程では水や化学薬品の使用を抑制する無水染色(原着)技術を採用している。
ユニフォーム製造卸のアイトス(大阪市中央区)は、経産省の環境配慮設計ガイドラインに準拠した易リサイクル設計のジャケットを25秋冬に投入。26春夏では半袖と薄地の長袖2品番も投入する。従来の金属製付属品を再生PET樹脂に切り替えるなどして再生工程への負荷を低減。回収、ケミカルリサイクル工程と合わせ資源循環システムを実現している。今後はアイテム拡大と実績の積み上げが課題だ。
ミズノは、佐川急便、帝人フロンティアと連携し、繊維to繊維のトライアル運用を昨年開始した。佐川急便のポロシャツユニフォームについて、生地だけでなくボタンなどの副資材も含めて100%ポリエステル製とするモノマテリアル化し、使用後は帝人フロンティアのケミカルリサイクル技術を活用する。
縫製加工業の東和(福島県本宮市)は、クラレと共同開発した縫製用溶解糸「アメルティス」を使った易リサイクルの取り組みを展開。同素材は、90℃の熱水に30分間浸すことで縫製前の各パーツに分解できる特性を持つ。現在は羽毛ふとんに採用しているが、ユニフォームへの展開も視野に入れている。





