特集 染色加工(8)/新たな取り組みを進める/播州織工業協同組合/山陽染工/岡山県織物染色工業協同組合/日阪製作所

2026年02月25日 (水曜日)

〈播州発、全く新しい晒/見せたくなる上品なシワ加工/播州織工業協同組合〉

 播州織産地の染色加工場、播州織工業協同組合(兵庫県西脇市)は、昨年新増設した後晒加工設備を駆使した加工ブランド「播州晒」の提案を強化する。

 先染め織物整理で培った加工ノウハウを組み合わせて多彩な表面加工バリエーションを開発。「全く新しい晒し生地」として、ファッション用途の綿100%織物で、他産地の生機加工や生地商社・コンバーター向け高付加価値加工ブランドとして打ち出す。

 最大の強みは「思わず見せたくなる繊細で上品なシワ感」。樹脂加工によるハリや反発性をベースにワッシャー、タンブラー、起毛、シャーリングなど保有する多彩な加工機を使い分け、独特のシワ感や表情感を作り込む。

 納期対応や品質管理も強みだ。生機投入後、2週間~1カ月を標準納期とし、短納期化が進む中での納期対応力も武器。品質安定にも自信を見せる。加工設備の水温や薬剤濃度の管理ノウハウを晒でも生かし、綿生地の白度や表面の奇麗さ、再加工率の低さ、再現性の高さもPR。医療やテーブルクロスなど資材用途の量産ニーズも取り込む。

〈テキスタイル販売に力/ダスティ加工など色落ち感拡充/山陽染工〉

 山陽染工(広島県福山市)は引き続き、海外向けも含めたテキスタイル販売に力を入れる。

 海外開拓においては、イタリアの服地見本市、「ミラノ・ウニカ」(MU)へ継続出展しながら開拓を進めてきた。先月に開かれた同展には、同社グループの中国紡織(同)が出展し生地をPR。森定加奈子経営管理本部課長は「刺し子風など、変わり種のデニムの評価が高く、商談の中身も濃かった」と話す。

 昨年には「インターテキスタイル上海」へ初出展した。その後も現地をラウンドするなど、今後は中国市場を本格的に開拓する。先月のMUには「中国でコンタクトが取れた顧客も来るなど相乗効果があった」(戸板一平常務)と言う。

 生地ではデニムに加え、顔料使いや硫化中白染めの「ダスティ加工」など、色落ち感が出る加工を施した生地の引き合いが多い。ニーズに合った生地の拡充も図っている。

 綿100%生地にパラフィン加工を施したものは、しっとりとした風合いで人気が高まっている。ダスティ加工もバリエーションを充実させる。液流染色機で前処理をした後に同加工を施したものは、ふんわりとした風合いが特徴だ。

〈倉敷染を訴求/工場間連携も密に/岡山県織物染色工業協同組合〉

 岡山県織物染色工業協同組合は引き続き、安心・安全な独自の加工ブランド、「倉敷染」の提案に力を入れながら、認知度のさらなる向上と採用増を目指す。

 倉敷染は染色、製品加工において、安全性と環境負荷に配慮した独自の加工ブランド。世界的な大手アパレルメーカーを中心に構成する、有害化学物質排出ゼログループ(ZDHC)が作成したリストに準じた独自基準を設定し、各種工程を経ても有害物質が残留しない生地を倉敷染として認定している。ニッセンケン品質評価センターが定期点検を行い、安全性についても担保する。

 展示会で継続的に発信を続けながらビジネスを広げてきた。昨年は素材総合展「東京テキスタイルスコープ26秋冬」に出展。このほか、同組合参加企業の豊和(岡山県倉敷市)が海外展に出展した際に倉敷染を発信するなど、海外でのアピールも模索する。

 工場間の連携が密なのも同組合の特徴だ。加工の開発などで連携するなど、「今後も横のつながりをしっかりともっていく」(田代雄久理事長〈豊和社長〉)とする。

〈染工場の省人化を実現/インドの拡大に注力/日阪製作所〉

 日阪製作所は、国内外で染色仕上げ機器の拡販を目指す。国内では省人化や自動化など合理化提案を一段と強化し、海外ではインド市場の開拓に注力する。

 今期(2026年3月期)の販売は海外がけん引している。フル稼働が続く日阪〈中国〉機械科技は年産200台超体制に拡大。中国国内向けに加え、中国系企業の東南アジア進出に伴い、インドネシアやベトナム向けの受注が増加している。

 生駒事業所で生産する日本製は、国内に加えてインド市場に注力する。日本では省人化や省エネなどにつながる提案に注力し、液流染色機「サーキュラー」の新水洗機構搭載機「SQ型」や「SG型」、自動走行補正システム「ACCS」などを重点的に提案する。染工場の人手不足や海外労働者の増加を背景に、助剤・染料の計量装置「ダイキッチンシステム」などの提案も強める。今後に向けては、特に要望が高まっている自動化での新しい開発にも取り組む。

 今後はインドを重点市場に位置付けて拡販に注力する。足元では低浴比を実現した「ZR型」への注目が高いが、今後は合繊薄地織物など繊細な素材の染色に向く「SP」型や、節水につながる「SQ型」、「SG型」なども提案していく。